第2回 「清掃業務」について語る

高田馬場ゲーセンミカドの店長、イケダミノロックです! 今まであんまり語られることのなかった「ゲームセンターのお仕事」。個人経営ゲームセンターの裏側で何が行なわれているのか? お店によってもだいぶちがうと思いますが、ここでは僕の経験を赤裸々に語りたいと思います! 第2回目は「清掃業務」についてです!  

清掃はサービス業の基本!

いきなりですが、皆さんに質問! 居酒屋やレストランに入店した際、店員さんに「空いているお好きなテーブル席へどうぞ!」と言われて、前にいたお客さんがオーダーしたお皿が置きっぱなしの汚れているテーブル席と、何も置かれていないピカピカのテーブル席、どちらに座りますか? 多くの皆さんは後者を選択するはずです。ここで、さっきの質問の「テーブル席」部分を「テーブル筐体」と置き変えて読み返してみると、ゲームセンターにも飲食業とまったくおなじ理屈が当てはまります。同じゲーム機でも、汚いよりも、きれいなゲーム機のほうがインカム(売上)は上なのです。これはゲームセンターのお仕事というよりも、サービス業の基本となります。 具体的にゲームセンターのスタッフさんの「清掃業務」は、

・「店内清掃」……店頭、床、トイレ、階段など建物自体の掃除
・「筐体清掃」……ゲーム機の掃除

のふたつに分けることができます。さらに「筐体清掃」は、

・「巡回時の清掃」……ゲーム機のコンパネなどお客様が触れる部分をスタッフが巡回しながらつねにきれいな状態に保つ清掃
・「特別清掃」……がっつり時間を取って筐体の内外、ほかすべてを清掃する
 (こちらは、美化以外に精密機械である業務用ゲーム機の保守メンテをになう側面も(※)
※……この作業をする際は他の接客、作業が不可能になるため、お客様の多い時間帯は避けて行なう。

に分かれ(作業の呼び方は店舗ごとにさまざまでしょうけど)、気持ち良くお客様にゲームを遊んでもらうために、ゲームセンターのスタッフさんは日々清掃業務に追われているのです(実際ゲームセンタースタッフの通常業務の7~8割が清掃業務だと僕は考えています)。 店内の清掃レベルを保つために大手企業のロケーションでは専属清掃スタッフを雇っているお店もあります。そこにコストを掛けてでも清掃業務は重要であるということを、大手企業さんほど知っているのです。  

【ミカドお掃除フォトグラフ①:コンパネ内部】
ミカドお掃除フォトグラフ①

意外と汚れているコンパネ内部。1週間に1回は全台のコンパネ内部を清掃します!

 

【ミカドお掃除フォトグラフ②:特別清掃】
ミカドお掃除フォトグラフ②

1年に1回は、筐体ボディの裏側を水洗い。しつこい汚れはタワシでせん滅! 水洗いは豪快に汚れが落ちていくのが気持ちいいぜ!

しかし、残念ながら我ら中小ロケーションにそんな体力はありせん(笑)。また、中小ロケーションにはキチンとした接客マニュアルが存在しない場合も多く、そうなると従業員の店内美化への意識も当然「それなり」になってしまうわけで、昨今、斜陽と言われるゲームセンター、アミューズメント業界において、中小ゲームセンターの店内清掃レベルは(人員的にも資金的にも)大手と比べると一歩劣ってしまうのが現状です。  

【ミカドお掃除フォトグラフ③:巡回清掃】

ミカドお掃除フォトグラフ③-1

お客様がたくさんいらっしゃるときには、コンパネや灰皿がこんな感じに汚れることもよくあります。

ミカドお掃除フォトグラフ③-2

そんなときは三種の神器を使って即清掃! 巡回しながら、つねにコンパネをきれいに保てるようつとめます!

ここまでが、清掃業務についての概要です。ここから先は、店長や管理者様向けなお話になります(笑)。  

店長が誰よりも清掃しろ!

ゲームセンターというよりもサービス業の清掃業務は、開店時や閉店時に1日1回ルーティン的に清掃をやって終わり……ではありません。つねにスタッフがあらゆる場所に目を光らせ、きれいな状態をキープしつづけるという考えが正解となります。しかし、たったこれだけのことを、働く全従業員に浸透させていくのは容易ではありません。 たとえば、スタッフの意識レベルがバラバラであると、シフトに入るスタッフによって「店内の清掃レベルが不安定になってしまう」「あいつは掃除しねえ!」などスタッフ間の人間関係の乱れのような、さまざまな問題が発生します。 それでは以下、僕の経験則で恐縮ですが、スタッフの清掃レベル意識向上を図る、一番手っ取り早い方法を伝授します! 一言、

「店長が誰よりも店や筐体を清掃しろ!」

これにつきます。そもそも少ない人員で店を回している中小ロケーションです(ミカドは全スタッフ合計4人です)。スタッフごとに清掃は苦手でもメンテが得意とか企画が得意とか良い部分があるでしょう。やはりこの苦しい時代ですから、店長、社長といった管理者も時間を作り、たがいに長所短所をおぎないあって働くのが一番です。 飲食サービス業の世界では、お店の清掃レベルは、そのお店のトイレを見れば解る……という話がありますが、お店のトップこそ率先してトイレを清掃し、「これが俺の店のトイレだ!」とまずは見本を示すべきです。 ミカド_002_イラスト

(イラスト・菊野郎)

そして少しずつ、信頼おけるスタッフには「汚れに対し、見て見ぬ振りをするのは会社や店舗の問題点に見て見ぬ振りをするのと一緒である!」という意識を浸透させてください。清掃レベルの低い人は汚れには気がつきませんが、きれいになった状態には不思議と気がついてくれます(笑)。 「店長が掃除したトイレは綺麗っすね!」なんて言われればシメたもの。あとは「筐体」「床」「巡回の仕方」etc.……と清掃の見本をくり返し見せていけば、信頼する仲間たちが、店長が汗水たらしているところをかならず助けてくれるようになってくれます。稚拙ではありますが僕の経験を参考にしていただけると幸いでございます。  

【ミカドお掃除フォトグラフ④:トイレ掃除】

ミカドお掃除フォトグラフ④-1

トイレ掃除、行きまーす! まずは洗剤をまきます!

ミカドお掃除フォトグラフ④-2

床をデッキブラシでみがいたあとは男性用小便器。こっちは手拭きです。

ミカドお掃除フォトグラフ④-3

大便器も手拭きでしょ。ミカドは毎日掃除してるからあんまり汚くないです。

ミカドお掃除フォトグラフ④-4

水で洗剤を流して、仕上げは絞ったモップで床を拭きます。これにてトイレ掃除完了!

お店が綺麗だと、

「仕事が進みます!」
「お客様が気持ち良く遊べます!」
「お客様、スタッフともに笑顔になります!」

どうか、中小ロケーションもあきらめず、大手に負けないよう清掃レベルを上げて行きましょう!

(文・イケダミノロック)

【イラストレーター紹介】

菊野郎 いろんなところでゲームのコミカライズや4コマ等漫画などを連載中。連載、単行本の情報はサイトにて。おしごとください。

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著者プロフィール

イケダミノロックゲームセンター店長
株式会社INH代表取締役、高田馬場ゲーセンミカド店長。一応プロのギタリストです。ゲームとかパチンコの曲を録音させてもらったり、ゲームミュージックの公式バンドもやってます。

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