プロローグ ~夏空の下で~

あっついな! 8月3日の日曜日、午後をちょっと過ぎた空は猛烈な勢いで晴れ渡っていた。なんでこんな時間に俺、自転車こいでるんだろう――。江戸川沿いを走りながら、ふとその理由に思いを馳せる。 俺2_000_01 そう、今日はあの初代『ストリートファイターII』全国大会チャンプ「清藤幸治」に会いに行くんだ。つまり暑いからといって帰るわけにはいかない。「電車で行けばいいのでは?」そんな意見が聞こえてくるような気がしないでもないが、そこはほら、サイクリングも兼ねて、とか運動不足解消のため、とか……わかってくれるよネ?

でも実際、このままだと運動不足などとは縁のない世界に行きそうでちょっとヤバイ。なにせ、肌が灼けているのが感覚としてわかるぐらいに暑いのだ(そりゃそうだ)。しかし、ここはまだ千葉県、清藤幸治の待つ東長崎までは残り21kmほどある計算になる。果たして生きてたどり着けるのか……?

国道6号線を上りつつ30分も経たないところで、さすがに生命の危険を感じてコンビニに退避! もちろん買う商品はスポーツドリンクと決まっていたが、せめて汗が止まるまでと店内を冷やかす作戦に出る。とは言え、汗だくのオジサンが店内に転げ込むように入ってきて、ひたすらチョコレートとかスルメとか眺めてるのはおかしいよなぁ……と2分で気付き(遅いな)、そそくさとスポーツドリンクを買って外で飲むことに。

座り直した自転車のシートの暑さに辟易しながらふたたびこぎ出す。よくこんな日にみんな外に出られるなぁ。この調子で年々暑くなってったらそのうち人が外に出られなくなるんじゃないの。あー坂道ダルィ……なんてぼーっとしながら移動しているうちに視界が開けた。荒川だ。 俺2_000_02 やあ本当にいい天気だな! 正面には日本一高い建造物、スカイツリーも見える。ここからだとまだだいぶ遠いはずなんだけど、あいかわらずおかしな遠近感を演出してくれるのがにくいところ。

さらにちょっと先へ行くと隅田川に。白鬚橋からスカイツリーをパシャリ。なんかもうFOOすけ東京観光日記みたいになっているがそこは気にしない方向でお願いいたします。 俺2_000_03 スカイツリーは意外と近くに見えるけど、ここからでも1.5km以上ぐらい離れた場所にあるんじゃないかな? やっぱり遠近感おかしいです。

このあと日暮里で10分近くフラフラダルシム状態になって迷ったあげく、駒込→巣鴨→大塚→池袋と経由し、いよいよ西武線沿線に突入! しかし、この炎天下、自転車に乗っていてわかったのは、汗が目に入るとものすごく痛いってこと。その汗がまた、もう塩の固まりじゃないのっていうレベルの液体なわけです(実際なめてみると異常にしょっぱい)。汗が目に入って激痛引き起こすとか、そんなの昔ムース使ってたとき以来だわ(編注:今いらないですもんね)。

なんだかんだでようやく東長崎に到着したところで、待ち合わせに場所にひとりの男が現れた。そう、その人物こそまぎれもない初代チャンプ、清藤幸治……!


――それは『ストII』に人生を捧げた戦士たちの生きざまを描いた物語。
俺2_000_04 ゲーム発売から二十余年を経たいま、歴戦のプレイヤーたちは、いったい何を語るのか。次回「俺たちのストII!【ROUND 1】」乞うご期待!


(文・FOOすけ)

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著者プロフィール

FOOすけ
7つのペンネームを使い分け(本当は3つくらい)、さまざまな媒体で執筆活動を行なっている覆面ライター。でも隠しているわけでもないので、聞かれればお答えします、とは本人の弁。