2014年8月20日、ゲーム業界に「ちょっとしたニュース」が駆け巡った。その内容は「高田馬場ゲーセン・ミカド(以下、ミカド)」の名物店長、イケダミノロック氏によりツイートされたもの。
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なんと、大山のぶ代さん所有の『アルカノイド』が入った筐体を搬出するという内容。しかも、直後のツイートはさらに衝撃的なものだった。

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この宣言どおり筐体は即日ミカドに設置され、すぐに一般開放となる。そしてこれら一連の内容がTwitterで広まり、さまざまな媒体で取り上げられ、記念プレイを楽しむプレイヤーも多数訪れることとなった。

「ちょっとしたニュース」の内容はここまでである。ではなぜ、ミカドにこの筐体が置かれることになったのか。ここでは、筆者がミカドを取材したなかで聞くことのできた経緯についてご説明していきたいと思う。

 

大山のぶ代さんと『アルカノイド』の縁

そもそもの発端は9年ほど前にさかのぼる。当時、サイトロン・レーベルより発売された「GAME SOUND LEGEND SERIES LEGEND OF GAME MUSIC 2 ~PLATINUM BOX~」の付属DVDに、大山のぶ代さんがプレイする『アルカノイド』が収録されることになった。

ここで「なぜ大山のぶ代さんが『アルカノイド』を?」と疑問を持たれる方もいると思うので簡単に補足しよう。じつは大山のぶ代さんは『アルカノイド』をこよなく愛することで知られる『アルカノイド』プレイヤーであり、自己最高記録は公式のものと比較しても2位に相当するほどの達人なのだ。

そのような経緯での収録であったが、これが縁で当時の担当ディレクター(以後、D氏)と大山のぶ代さんのマネージャーさんが懇意となり、以後、大山のぶ代さんが『アルカノイド』がらみでバラエティ番組などに出演する際など、決まってこのD氏に相談していたという。

それが7年ほど前に大山のぶ代さんが『アルカノイド』筐体を自分の別荘に置きたい、という話になり、依頼を受けたD氏が諸々を手配することでそれが実現したのである。

 

引っ越しにともなう『アルカノイド』の置き場所

その後、大山のぶ代さんは体調不良となり、そこからリハビリを重ねて現役復帰までしたことについてはファンなら周知の事実だろう。しかし、病気以後にゲームで遊ぶ頻度はもちろん、別荘の利用回数そのものも減り、別荘の引っ越しまで検討されはじめたとのことだ。

そこで出てきたのが『アルカノイド』筐体の問題で、その置き場所をいずこかに確保する必要があった。D氏はイケダミノロック氏とも懇意にしており、置き場所について相談をしたところ、イケダミノロック氏が無償の保管を承諾し、今回の搬出へとつながった。

このとき、筐体については所有者である大山のぶ代さん側から「保管ではなく自由に使ってほしい」という言葉をいただいたという。そのような話があったからこそのミカドでの稼働、となったわけだ。

ミカドにて稼働中の「特別な『アルカノイド』」。高田馬場にお立ち寄りの際はぜひ遊んでいただきたい。

ミカドにて稼働中の「特別な『アルカノイド』」。高田馬場にお立ち寄りの際はぜひ遊んでいただきたい。

この筐体についてイケダミノロック氏はこう語る。
「筐体の告知には『頂いた』と記載していますが、実際にはお預かりしているという意識です。返却の日がくるまでは大山のぶ代さんのご意向に沿って皆さんに開放していきたいと思う。大山のぶ代さんが『アルカノイド』をちょっと遊びたくなったときは、いつでもミカドにいらしてほしい」

以上が今回の経緯である。完全復帰を果たした大山のぶ代さんが、いつかミカドで『アルカノイド』の実演イベントをしてくれる日を、ゲームファン、そして大山のぶ代ファンとして心待ちにしたい。

 

(文・FOOすけ)

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著者プロフィール

FOOすけ
7つのペンネームを使い分け(本当は3つくらい)、さまざまな媒体で執筆活動を行なっている覆面ライター。でも隠しているわけでもないので、聞かれればお答えします、とは本人の弁。