【番外編】ミカドのイベント「ストリートファイターカーニバル」について
高田馬場ゲーセンミカドの店長、イケダミノロックです!
今まであんまり語られることのなかった「ゲームセンターのお仕事」。個人経営ゲームセンターの裏側で何が行なわれているのか? お店によってもだいぶちがうと思いますが、ここでは僕の経験を赤裸々に語りたいと思います!
最近はちと年末進行でいそがしいので、番外編として、しばらく僕自身の業界への雑感コラムっぽい感じで進めます。今回はミカドの平日毎日実施するイベント「ストリートファイターカーニバル」についてです!
※当原稿は僕の仕事上のつながりのある方しか見られない、クローズドでの日記をもとに内容を加筆修正したものです。
毎日お客さんを呼ぶための努力
ミカドが毎日大会をやる理由は簡単だ。毎日大会をやればお店に人が来るからだ。ゲームセンターはもう、昔みたいに多くの人が毎日、学校帰りに、会社帰りに、暇つぶしに、足を運ぶ場所じゃないんだ。
理由は社会や景気の問題、業界の衰退、他のエンターテイメントの存在、スマホやネットに時間やお金を取られている、などさまざま。根本的にお客さんの価値観やライフスタイルがあのころとはちがうのだ。当然、そんなことは10年前から周知の事実だ。しかしわかっているのに俺たちオペレーターはこの10年間、思考停止にあった。
「大会のときしか客が来ないなあ」
「普段も遊びに来てくれればなあ」
「あのタイトルは大会の日以外インカム0円」
「新作入荷しても1ヵ月インカムもたない」
こんなセリフを10年間言いつづけた。たとえば日曜日にストII大会をやって10人集まったとする。それなりに盛り上がったところで、参加者全員がつぎの日から毎日バリバリ遊びに来るようなら最初からゲームセンターはこんなに衰退しないのだ。それなのに、まるで、いつまでも同じネタをひっぱるお笑い芸人のように、同じ愚痴を言いつづけ、それ以上の行動をすることのない店が多すぎた。
たまに他店の店長や社長との飲みの席でも出てくるセリフは上記のとおりいつも同じ。数年同じ会話や愚痴を聞いてると、もはや俺には、この手のセリフが「そんなの関係ねぇ! はい! オッパッピー!」「ゲッツ!」「欧米か!」「なんでだろー なんでだろー」とかに聞こえてしまって、ぶっちゃけ笑いを隠すのが困難だったのを覚えている。
話を整理する。俺は俺のことをよく知っている。俺には革新的な何かを生み出す力はない。40年も生きてりゃ身の程わきまえるっつー話だ。ただし気合と根性は誰にも負けない自信があるぜ。だったらカラダを張るしかねーんだ。「大会のときにしか客が来ない!」ってのは裏を返せば「大会のときは客が来る!」になる。じゃあ、毎日大会やれば毎日客が来るんじゃね? この馬鹿馬鹿しいまでの理論がストリートファイターカーニバルの企画の発端だ。
平日毎日開催、ストリートファイターカーニバルは早くも今年3回目。ゲームセンターは設置産業にあらず、それを周知させるまで、ときとして体を張って稼がないといかん場合があるわけよ。
(文・イケダミノロック)
著者プロフィール
- ゲームセンター店長
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株式会社INH代表取締役、高田馬場ゲーセンミカド店長。一応プロのギタリストです。ゲームとかパチンコの曲を録音させてもらったり、ゲームミュージックの公式バンドもやってます。
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■高田馬場ゲーセンミカド
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