【第1回】 まずは攻略本作成の大まかな流れをご紹介

今回、ゲームライターと呼ばれる職種について記事を書く機会をいただきました。実名は今後の活動に支障をきたす可能性もありますので、ここではP.N.「台風一家」とさせてください。とは言え、多少なりとも経歴を明かさなければ記事の信ぴょう性がまるで無いのも事実ですから、がんばって調べればある程度は対象が絞れそうな範囲で経歴を紹介しますね。

まず、私が最初に手がけた仕事は俗に「陸のAC」などと呼ばれるプレイステーション1用シューティングゲームの攻略本です。それ以降、「空のAC」を手がけたり「MARZの犬」になったり宇宙世紀で戦ったりと、やたらメカものに縁がありますね。いずれにしても初仕事からかれこれ20年近くになりますから、それなりに古参と言えるでしょうか。

仕事の形態としては特定の会社に勤めるのではなく、仕事の依頼があれば受けるフリーの形です。そのため、ここでお話しする内容がそのまま別の会社で通用するとは限りません。その点はご容赦ください。

 

ゲームをしながらお金がもらえる夢のようなお仕事?

「ゲームライターって、ゲームしてお金をもらえる夢のような仕事でしょ?」

ゲームライターと聞くと、こういったイメージを持つ方も少なくないのではないでしょうか。そのイメージは、極論を言えば間違ってはいません。確かにゲームをやってお金を稼いでいるからです。

ただ、スポーツ選手が好きな競技で生きていくには厳しいトレーニングやし烈な競争が避けられないように、ゲームライターといえどゲームを楽しんでいるだけで生きていけるわけではありません。そこで今回は、一般的なゲームライターが手がける仕事について紹介しようと思います。

 

打ち合わせ、担当決め……ゲーム以外にもやることはたくさん

「ゲームライターなんて、ゲーム以外には文章を書いて原稿を作るだけの仕事じゃないの?」

ゲームライター希望の人が、現実とのギャップでライターを辞めていく理由No.1がおそらくこれです。とにかくゲームをやって、その攻略内容を原稿にすれば仕事は終わり……はたからはそう見えるのもうなずけますが、実際にはもっと多くの仕事が待ちかまえています。

まず、クライアント(こちらに仕事を振ってくれる出版社や編集プロダクション)との打ち合わせがあります。ここで製作するものの内容などを詰めるのですが、これがなかなかに難しい。何しろ相手はなるべくコストやリスクを抑えたいため、冒険的なアイデアは基本として通りません。よく「似たような本ばかりだよね~」という意見を目や耳にしますが、その理由はほとんどがこのためです。

つぎに打ち合わせで決まった内容に沿って担当する部分を決めます。よほどの製作期間がない限り複数の書き手が参加するため、かならずしも好きな部分を担えるわけではありません。ここで同僚でもあるライター同士で、なるべく得意な部分や楽な部分を受け持つための争いも起こります(もちろん殴り合いとかそういう争いではなく、自分がそこを担当することのメリットをアピールしたりする争いですが)。

ちなみに1冊の本でもやたら濃い部分と微妙な部分が混在してしまうのは書き手の能力差によるもの。本来であれば製作の責任者である編集がレベルの均一化を図らなければいけないのですが、その編集自身がゲームのことをよく知らないがために内容の差に気づかないことも多いのです。

これにより『自分が担当した部分は問題なかったが別のライターのところでやらかした』という事態が発生し、総合的な評価としてまったく大丈夫でない本が完成したりもします。いやぁ、ひどい話ですよホント。

 

ラフを切ってデザインが決まったら、いよいよ原稿作成!

担当が決まれば、つぎに行なうのが誌面作り。ラフ切りなどと呼ばれる作業です。例えばキャラクターの絵とパラメータ、技表で構成された誌面であれば1キャラぶん作れば使い回しが利きます。しかしページごとにイラストや写真の大きさが変わるような場合では使い回しができないため、そのページごとに原案を考える必要があり手間が倍増してしまうのです(もちろん報酬に差はなし)。

その面倒くささと手間に見合わない報酬になることも多いこのラフ切りは、多くのライターにとって避けられるものなら避けてしまいたいと思う作業。それに割く時間をゲームプレイに充てたい、というのがゲーマーの心情でもありますしね。

そんなこんなで誌面に入る要素が固まったらプロのデザイナーに原案を渡し、誌面になるものを作ってもらいます。なお、ごくまれにですが原案と大きくかけ離れたものが出てきて泣かされることもあります……。

それらを終えたら、あとはゲームをプレイし攻略記事の作成です。この作業については想像しやすいものだと思われますが、この作業にも当然ライターならではの悲哀はあります。次回は、この攻略作成時の話からしていきますね。

最初にライターの仕事を知っておいていただきたいためにお堅い話ばかりになってしまいましたが、今後は実際にあった事件などを面白おかしく紹介していけたらと考えています。それでは、また次回にお会いしましょう!

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著者プロフィール

台風一家ゲームライター
ゲームを始めて、はや○十年となりました。小さいころはロボアニメをよく見ていたせいか、ライターになってもロボにやたら縁があります。「誰かの成功から学ぶ」ためでなく「誰かの失敗を繰り返さない」ために歴史を学んでいましたが、あまりその教訓は生かされていない気がしますね。