【第5回】 ついに攻略本が完成! しかし……

今回は原稿を編集プロダクションや出版社側に渡し、本が完成するまでのお話です。ただ、この部分に関してはこれまでに紹介してきた仕事のなかでも会社ごとのちがいが大きなものなので、あくまでも「そういう作業もあるんだ~」くらいに考えていただけると幸いです。

万全のチェックはありえないのか?

書籍なり雑誌なり文字の多い本を読んでいると、ときおり誤植を発見することはないでしょうか。ゲーム系の書籍に関しては、この誤植が他のジャンルにくらべて多いような気がしないでもありません。ずいぶん前に発刊された某アーケード誌の誤植がネタにされ、未だにインド人が右に行くくらいですしね。

かく言う私も、とあるゲームの回復テクニックをまちがえて、サラダによく使う野菜の名前を記載した本に関わっていたこともありますから、あまり他人のことを笑っていられる立場でもありません。そして多くの方は「なぜそんなミスをするのか?」と思われることでしょう。正直、私もそう思います。

一般的にライターは自分で作成した原稿をひととおりチェックしたあとにクライアントへ渡します。クライアントは受け取ったものをチェックし、修正が必要な点があればライターに差し戻します。そしてそのチェックを通過したものが紙面データに流し込まれ、初稿と呼ばれる本の原型となるものが完成。

つまりこの時点で二重三重のチェックを受けているはずなのですが、なぜか初稿にはだいたいとんでもないミスがあるものです。これは、製作時間の少なさから、初稿が出る時期には時間的な余裕がないために流し込みをまちがえたり、徹夜で少々ハイになっているのか普段では考えられないミスをしたというのがおもな理由と思われます。ただ、この時点ではまだ修正する時間があるため、ここでミスが見つかるぶんには大して問題はありません。

それはともかく、この初稿をライターとクライアント、そしてゲーム会社がチェックして反映させ、修正したものを再度ゲーム会社に再確認してもらいOKとなれば晴れて完成となります。

しかし、ここまで複数の人によるチェックをしているのに「なぜこんな誤植が全員に見逃されたのか…」と驚がくする事態はなくなりません。もっとも、初稿で問題なかったものが最終稿で間違っているということもあり、それに関して言えばライターにはどうしようもないというのが現実なんですよね。最終稿のチェックまでさせてくれるクライアントは非常に少なく、その時間もないことが多いので……。

お客様と会う商売ではないことの油断

そんなこんなでようやく本の発売となります。私の場合、初めて手がけた陸のACの本はゲーム業界が好景気だったこともあり売れ行きも好調で、ゲームショーで業者のみの大会に送り込まれたりゲーム会社主催の地方大会に呼ばれたりもしました。

そこで出会った小さな子に「1ヵ月ぶんのお小遣いを使ってしまったけど、買ってよかった」と言ってもらえたことが、今もこの仕事をつづけている大きな理由となっています。それまで、人に感謝されることって少なかったですから(笑)。

ただこの仕事、直接お客と顔を合わせてやり取りする業種ではないためか非常に無責任な方が多いです。そういう人間はだいたい淘汰されていくものですが、逆に言えば責任感のある方なら長つづきもします。見えないお客のためにもがんばれる方でこの職に興味があるなら、関係各所へ問い合わせてみてもいいのではないでしょうか。

さて、今回のライターのお仕事はこれにて終了です。反響があればまたお会いできるかもしれませんね。それではこれにて。

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著者プロフィール

台風一家ゲームライター
ゲームを始めて、はや○十年となりました。小さいころはロボアニメをよく見ていたせいか、ライターになってもロボにやたら縁があります。「誰かの成功から学ぶ」ためでなく「誰かの失敗を繰り返さない」ために歴史を学んでいましたが、あまりその教訓は生かされていない気がしますね。