【第7回】超高難度のタイトルに苦悩する(後編)

さて、今回は前回の続きとなります。あらかじめ渡されたロムをプレイし、その結果などを持ち寄って担当を決める打ち合わせを行なうところからですね。自身の不甲斐なさを痛感した私の行く末をお楽しみください……。

話がズレまくる打ち合わせ

打ち合わせ当日までにどうにか規制範囲内以上までクリアはしたものの、それが予想以上に困難であったことは前回でもお話ししたとおりです。もちろん、非常に厳しい内容とはいえ、まだ「クリアできるレベル」のゲームではあり、過去によく存在した理不尽きわまりないアーケードゲームのように「クリアさせる気はない」ものではなく、動画を撮影しそれを繰り返し見て動きを覚え、予備動作などをすべて把握すればどうにかなりました。

しかしそれを攻略として「どう記事にするのか」ということになると話はちがってきます。なにしろ動きが速く、動画で1コマずつ再生すれば確かに分かるというようなものも普通に含まれているため、「この動きを見せたらこういう行動をする~」ということに触れていいかも怪しかったのです。

――この打ち合わせは記事の方針でも相当に荒れるだろうなぁ。難易度の低い場所担当にしてもらえるだろうか……――

そんな覚悟を決めつつ、打ち合わせ会議に臨んだものです。しかしそんな覚悟をあざ笑うかのように、打ち合わせはトントン拍子で進みました。誰も、あのゲームの難易度について触れようとはしなかったからです。

どういうことなのだろう。もはや難しいことは前提で話をしているのかな? それとも、やっぱりアレくらいは今の若者にとってどうということはない、ということなんだろうか。

私はその打ち合わせにおいて、攻略をどう伝えるのかという点をしつこく聞きました。担当編集さんは「子供向けとはいえ狩りゲーだからこだわっているのかな」という感じの対応で、その他のライターたちも「ちょっとこだわりすぎでは?」というスタンスです。そのため話がなかなかまとまらず、完全にすれちがってしまいました。

実際にプレイしながら考えてみる

私とほかの方々とであまりに主張がちがっていたので、実際にプレイしながら方針を決めることになりました。今回はPC上で作動する特殊な機材でしたので、プレイするのは編集部のPCにあったものです。もうさんざん苦労してあまり見たくもなかったほどなので、プレイは別の方におまかせしました。

「そんなに丁寧にやらなきゃいけないほど難しいかな~」

などと余裕をぶっこいた発言をしながらプレイしていたライター君の動きを見てみると……まあ普通に戦っていました。しかしおかしい。何かがおかしい。これはおなじゲームだが絶対に私がやっていたものとはちがう。この湧き上がる違和感はなんだ~などと考えていると、動きが明らかに遅いということに気づきました。

あまりに不自然なので「もしかして、敵の動きが遅くなる装備品とかあるんですか?」と聞いてしまいました。そのライター君は「そんな装備品があるんですか!?」と返してきました。まったく話が合いません(笑)。

そこで「私がプレイしているのはこれより全体的に速いのですが皆さんはどうか」と聞いたところ……私だけが速いのだろうという結果になりました。しかしなぜ速いのかは分かりません。

メーカーからの返答で理由が明確に

ゲームとして高速モードがあるわけではないため、いくら考えてもどうしようもありません。そこで編集さんが打ち合わせを中断しメーカーへ電話連絡をしてくれました。それが済むまでの間、私は全体的に遅くなったゲームをプレイしてみたりもしましたが、確かにこれなら余裕だなぁというか、さすがに簡単すぎるだろうと感じたものです。

そして担当編集さんが戻ってきて、PC上でとある操作をすると……あの高速モンスターが復活しました! それをプレイした別のライター君たちはクエストを失敗しまくりで目も当てられない惨状となりましたが、私にとってはこれがデフォルト。強敵といわれた光弾モンスターやメ○オモンスターも倒して見せたものです。

そしてプレイもそこそこに再開した打ち合わせで、いったいあれはなんだったのかという話になりました。編集さんがメーカー側から聞いた話を総合すると、

・それはおそらく開発機材上で挙動速度を上げる操作がされています
・モンスターの徘徊行動をチェックしていた部署があり、そこは速度を上げていたのでそれが手に渡ったのかも
・もちろん実機ではそんな機能はないので戻して下さって構いません

というようなことだったようです。

いや、確かに私も最初は「これ速度が上がってるんじゃないの?」とは思いましたよ? しかし多くのケースで単純にゲーム速度を上げた場合はタイムカウント速度も上がりますが、これに関しては挙動こそ速いがタイムカウントはそのままだったので仕様なのだと勘ちがいしたのです。

いずれにしてもこの結果を受け、数々の慎重発言は無理もないということで話は片付きました。ちなみに私がプレイしていたのは通常のおよそ3倍速。自身も3倍速で動けるとはいえ、プレイヤーの反射神経はどうがんばってもそこまで上がりませんからね。苦労したわけです(笑)。

これにてライター生活における最大のピンチのお話は終わりとなります。今にして思えばホントしょうもないオチですが、当時は相当な覚悟を決めたんですよね。それと同時に、ゲームが苦手という方の気持ちも少しは感じることができたのかという思いもあります。そういう意味でも、貴重な経験ではありました。もう二度とはゴメンですけど……。

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著者プロフィール

台風一家ゲームライター
ゲームを始めて、はや○十年となりました。小さいころはロボアニメをよく見ていたせいか、ライターになってもロボにやたら縁があります。「誰かの成功から学ぶ」ためでなく「誰かの失敗を繰り返さない」ために歴史を学んでいましたが、あまりその教訓は生かされていない気がしますね。