第9回 音楽歴のお話(後編)

こんばんは! 佐藤豪です。先日、「佐藤豪バンド」で千葉のスタジオ付きコテージに1泊し、合宿してきました! すごいお洒落で豪華な設備だったので、みんなテンション上がりまくりで、朝方まで練習しちゃいました! さて、前回は自分の影響を受けた音楽の話を、中学時代まで話してきました。今回の第9回は、その後半となる高校生~現在までをお話したいと思います!

高校時代にバンドを結成!

中学生でドラムに興味を持った俺は、高校になって本格的にドラムを始め、バンドを結成しました。部活説明会が体育館であって、たまたま隣に座っていた連中と意気投合し、バンドを結成する事に。普通バンドを結成する際は、メンバーがある程度同じ音楽が好きで結成するものだが、この即席バンドは見事にバラバラ。ボーカルがボンジョビ好き、ギターがメタル系、ベースが尾崎豊、そしてドラムの俺がゲーム……と言いたいところだけど、この時期ハマったTHE SQUARE(のちのT-SQUARE)を演奏したいという見事なバラけぶり。

ほかにキーボードが欲しかったものの、残念ながら見つけられなかったので、4人のうちのボーカルがリーダーとなり、ボンジョビのコピバンとしてスタートすることになった。

今まで全然洋楽に興味がなかった俺は、これがきっかけで洋楽のハードロックを聴くようになった。新人歓迎ライブみたいなのが6月くらいにあって、うちらはボンジョビを3曲ほど演奏したのだが、その後の秋の文化祭で演奏したときは、ボンジョビ、尾崎豊、ラウドネス、スクエアと、本当にバラバラなバンドであった(笑)。

ちなみにスクエアは「Omen’s Of Love」を演奏したんだけど、インスト曲でキーボード不可欠なので、ボーカル君にドラムを覚えさせ、キーボード兼メロディを自分が担当した。そして、このときラウドネスを演奏したきっかけで俺はメタルに大ハマりし、高校時代はメタル+スクエアで過ごすことになる。ラウドネスのほかに、モトリークルー、ドッケン、ハロウィン、しだいにメガデス、アンスラックス、メタリカ、スレイヤー等とスラッシュメタルやハードコア、デスメタルと進んでいった。

余談だけど、このころのデスメタルってデスボイスでスローな曲というのがひとつの定義で、シンセとかもいなかったんだけど、今デスメタルって呼ばれているのってシンセやキーボードがいるのが当たり前なのね。ちょっとびっくり。

当時は空前のバンドブームでもあって、当時、多くの高校生がバンドをやっていた。もっとも多いのは、男子はBOOWYのコピーバンド、女子はレベッカが多かったかな。1学年下になると、男子がブルーハーツ、女子はプリンセスプリンセスとか、もう誰もがバンドやっていたので、リハスタにいると、かならず同級生の誰かしらに会うような状況だった。

絶望的なリズム感を克服せよ

このころは、かなり真剣に「将来はドラマーになりたい!」と思っていた。ある日、スタジオで練習してるときに今までにない過去最高の演奏ができたので、録音していたテープを家でわくわくしながら聴いたら死にたくなるくらいヘタクソ過ぎて悶絶したことがあったっけ(笑)。これを機に、早々と演奏のプロになるのをあきらめることに。さらに自分が相当なリズム音痴であることに気付かされた。

プレイヤーじゃなくても、何かしら音楽に関係した仕事に就きたいと思っていたので、これは致命的である。どうすればリズム感を改善できるんだ……当時、しばらくそれを考えていたんだけど、その内、「リズムの裏をとること」ができないことに気が付いて、これができるようになれば、克服できるかも? とひらめいた。「リズムの裏」については言葉では説明しにくいので、興味あったらグーグル先生やYouTubeなどで、「リズム 裏拍」とか「リズム 裏打ち」とかで検索してみて。

この日以来、何かにつけてリズムの裏をとる練習をし始めたんだけど、これは実に30歳になるまで、ひたすら観に行ったライブすべてで裏打ちをしつづけることになる。30歳になったときにやっと、そこそこリズム感が良くなったという実感が持てたんだよね。なお、ドラムは辞めるわけでもなく、あくまでも将来を目指すことを辞めただけで、その後ベースに転向するまでつづけてました。それにしても、この頃の自分は、まさか将来仕事としてバンド結成してライブをやっていくことになるとは思ってなかっただろうなぁ。ホント当時の自分があるから今があるわけで、昔の自分に感謝です。

絶望的なリズム音痴であることが発覚してプレイヤーとしての活動をあきらめた代わりに、しだいに将来は作曲を仕事に出来ないかなと考えるようになった。それもできればゲーム音楽の作曲を。この頃MZ-2500は持っており、FM音源でとりあえず作曲はできないこともなかったので、なんとなくの思いつきで作曲を始めることになった。

さまざまなジャンルの音楽を聴いて過ごす

そんな感じで高校時代を過ごしてきたけど、卒業近くにはガラリとまた趣味を変えることになる。まず、当時出始めてたアイドルグループCoCoとribbonに突然ハマり始める。あれだけおにゃん子クラブが流行ってても見向きもしなかったのに、CoCoのある曲がずっと頭から離れなくなり、みごとに洗脳されてしまった。ネットでアイドル仲間を見つけ、みんなで追っかけをし、新潟や名古屋とかのコンサートを遠征したっけ(笑)。

さらにセガ『サンダーブレード』のスラップベースに痺れて、高校卒業とほぼ同時にベースを買って、結果ベースに転向することになった。とくにボスステージのスラップベースのソロみたいな曲に完全にやられましたよ。そのほか、T-SQUAREを聴いてきたことや、ベースに転向したなどの影響で、しだいにファンクというジャンルに強い関心を持つようになり、20代前半はファンクとアイドルの2本立てで過ごす。なんだこの組み合わせ(笑)。

アイドルはCoCoとribbon以外に目を向けることはなかったけど、ファンクはかなりいろいろ漁って聴いてきた。ファンクといってもいろいろあるしね。じつはこのファンクが人生で一番影響を受け、長く聴いてきたジャンルになる。18歳~30歳くらいのあいだだろうか。

20代後半になると、過去の『ライデンファイターズ』のテクノが作れないお話のとおり、テクノ一辺倒に。『ライデンファイターズ』でテクノの作曲を経験し、全然できなかったことがきっかけで、研究をするために本当にいろいろなものを聴き漁っていった。ハードフロア、スクエアプッシャー、ケミカルブラザーズ、アンダーワールド、クリスタルメソッドなどなど。「テクノ」でひとくくりにするには微妙なラインナップではあるが、まあ、この辺を聴いてきたわけです。

このころは、今までやってきたシューティングゲームの楽曲とかだけではなく、将来を見据えて、幅広いサウンドクリエイターになりたい、いや、なる必要があるという気持ちが強くなってきていたので、ボサノヴァ、民族音楽、ビッグバンドジャズ、映画サントラ等々、広く浅くではあるけれど、とにかく今まで縁のなかったような、いろんなジャンルの音楽を聴きましたね。

アニメの楽曲を知るためにアニメにハマる!

そして30代も半ばになる頃の話。自分のそれまでの人生では、アニメに大ハマりすることは一度もなく、むしろ当時の世論に流されて、アニメというよりもアニメが好きな人に嫌悪感があり、今までほとんどアニメには触れてこなかった。しかしアニメは、音楽はもちろん、効果音なども最高峰のひとつであることくらいは認識していたので、心の片隅でアニメを知る事で、自分にプラスになるという気持ちを持ち続けていたんだよね。

アニメの世界に飛び込んでみようか、とは、なんとなくいつも思ってはいたことだったんだけど、そんなある日、とうとう思い立って、知人や職場のアニメ好きに「俺、アニオタになるから」宣言をして、かなり無理やりアニメの世界……それもどちらかというと、萌え系の方面に飛び込むことに(笑)。

何もわからなかったので、とりあえず、最初にアニメイトに行ってみることにした。店内にはいろんなキャラクターのポスターなど貼ってあるわけだが、どれもがみんな同じに見えて、それの何がいいのか、さっぱりわからなかった(笑)。でも、そのなかでも人気のあるもの、ないものがあるわけで、それを知ることがアニメを理解するためのひとつの鍵となると考えた。

で、レンタルで手当たりしだいにアニメを借りて観た。もはや音楽の話ではなくなってきているが……(笑)。それから、ちょうどこの頃、メイドカフェがはやり始めていたので、「世のなかのアニオタは毎日のようにメイドカフェに通っているにちがいない」と思いこみ、相当数のメイドカフェにも通ってみた。

そうやって、いろいろ経験を積んだことによって、とうとうアニメイトでわからなかった沢山の萌えキャラの人気のあるなしのちがいが、しだいにわかるようになってきたのだった!

サウンドクリエイターのお仕事_09(イラスト・花八)

知り合いにかなりの萌えアニメ好きな人がいるんだけど、彼にある日、「俺、もうアニオタの気持ちわかるようになったぜ? メイドカフェも相当詳しくなったから(キリッ」と豪語したら、「アニオタの皆がメイドカフェに行くわけじゃないですよ。僕行ったことないですし」ちょっと上から目線で返される。このようにして実はアニオタは、メイドカフェに行く人はあんまり多くないことをここで学んだ……。そんなこともあり、どうやら無駄にメイドカフェに詳しくなってしまったようだった(笑)。今では普通にいちアニメファンとなって、定期的に色々なアニメを観てます。「けいおん!」がはやったときは、コピーバンド組んでワンマンライブやるくらいになってました。

でも、この一件のお陰で、アニメソングのツボや傾向みたいなのは理解できるようになったし、アニメの効果音からフィードバックできたことも相当あった。やっぱり何でも体験してナンボです。

とまあ、いろいろ端折って書いてきてたけど、自分の音楽はだいたいこんな感じで影響を受け、構成されています。ちなみに最近はアコースティックなものばかり聴いてます。ピアノやアコースティックギター、弦四重奏、木管楽器、アコーディオンのような楽器構成の音楽。とにかく作り手ですから、色々知ってないとダメなんですね。知らないメリットなんてないし、知らなくて作ったところで、たいしたものにはならない。音楽とか楽器とか本当にいろいろあるので、俺はとにかく数多くのものを経験することが自分にとって必要なことだと認識しています。

そうやって今後もさまざまなものを経験していくんだと思うけど、そしてまた一巡して、いつかFM音源とかに戻っていくのかな、となんとなく考えています。

以上、佐藤豪の音楽歴を2回にわたってお話しました。ではまた!

【イラストレーター紹介】

花八  ブシモ様の『しろくろジョーカー』武将イラストを一部担当させていただいております。その他、BLカードゲームのスチルイラストも担当させていただいたりもしております。詳しくはブログでご確認くださいませ! お仕事募集中です。

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ブログ:『花八の工房』
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著者プロフィール

佐藤 豪
佐藤 豪サウンドクリエイター
ゲームサウンドクリエイター。気が付いたら24年この仕事やってます。作曲はもちろん、効果音が好きで効果音の研究に取り組んでいます。代表曲は『雷電II』『バイパーフェイズ1』『チョコットランド』など。

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