番外編 ゲームを通して思い出したあの頃

今回はスチームパンクなゲームの紹介ではございません。と言いますのも、最近プレイしたゲームにふとノスタルジーを感じたからなのです。というわけで、本日は番外編として「ゲームを通して思い出したあの頃」をテーマにお届けします。

筆者は最近になってようやく『ファイナルファンタジーXV(以下、FFXV)』をついに開封しました。初日に「ムービーとかがあるなら綺麗なんだろうな」と、とりあえず冒頭部分だけ見て寝ようと思って起動したところ……やられましたよ。

※以下の文章では冒頭部分のストーリーや演出に触れています。これからゲームを楽しもうと思っている方はご注意下さい。

主人公であるノクティス王子(以下ノクト)が、王である父のもとを離れ、自身の結婚式を執り行なうべく親友3人とともに、ノクトの未来の花嫁の所に向かうことになる。

王の愛車レガリアに乗り込み出発した矢先、ガス欠を起こして車は停車……。周りはひたすらに荒野が広がっている。

全員で文句を言いながら、動かなくなった車を押して進む。王子にも押させる所にも4人の仲の良さがうかがえる。

暑い日差しのなか、文句を垂れながら途方に暮れる4人を、たまに通る車は相手にもしてくれない。

仕方がないので4人は車を押して給油所まで向かうことにした。

ノクトと親友3人はとても仲が良く、王子だから、と言った気遣いはせず、あくまで友としてフランクな言葉遣いで王子にも車を押させる。

つぎに楽なハンドル係をするのは俺だ、とか、地図で見たらもっと近かったのに、と、ラフな会話のなか車を押していると、ベン・E・キングの「stand by me」が流れる(歌は女性シンガーによるもの)。

ベン・E・キングとは、 アメリカのソウル、R&Bシンガーで、1961年にこの曲「stand by me」が大ヒット。のちにさまざまなアーティストがカバーする名曲だ。その後、1986年に映画「stand by me」の主題歌に起用され、さらに認知度を上げた。

そしてこの映画「stand by me」とは、モダン・ホラーの開拓者スティーブン・キング原作の短編を映画化したもので、アメリカの片田舎で暮らす、性格も趣味も全然ちがう4人が「行方不明になっていた少年が30キロ先の森で列車にはねられて野ざらしになっている」という話を盗み聞きして「死体を見つければ英雄だ!」と少年時代特有の好奇心や冒険心で死体を捜しに行くという、ひと夏の冒険を描いた物語。

筆者は幼い頃、冒険が好きな少年でした。大人になってみると家からそんなに離れてない山に、仲の良い友人と2人で分け入って行くのが、小さな少年達にとっては大冒険でした。

そんな頃にテレビで放映していた映画「stand by me」を観て、まるで自分も冒険をしている様なワクワク感を覚えたのを今でも思い出します。そして、初めて買った8センチシングルCDが、ベン・E・キングの「stand by me」だったのです。

その思い出の曲が、まるで世間知らずなノクト、グラディオ、イグニス、プロンプト、この4人組の冒険のスタートを飾ります。

「stand by me」が雰囲気を盛り上げるなか、車を押している4人の背中からカメラが引いていき、タイトルコールにつながります。

「stand by me」が雰囲気を盛り上げるなか、車を押している4人の背中からカメラが引いていき、タイトルコールにつながります。

この4人はシリーズお馴染みの通貨である「ギル」を知らなかったり、さきほどの「地図で見たらもっと近かったのに」発言など、王都から出たことがないほど外の世界に対して無知なのです。

この少年性こそが、冒険そのもののワクワク感を表現するのに一役買っています。

筆者が初めてプレイした『ファイナルファンタジー』シリーズはファミリーコンピュータで発売された『ファイナルファンタジーIII』だったのですが、これも少年たちの好奇心や冒険心に触発された小さな冒険から物語が始まります。

幼い頃にプレイしたゲームのワクワク感、幼い頃に観た映画のワクワク感。その感情を『FFXV』を通して、また味わうことができました。

そして、製作者の方々は「その頃の感情」をプレイヤーに思い出してもらいたかったのだと思える小さな演出が各所に散りばめられています。

例えばそのひとつとして、装備品を購入する時のドット絵で描かれたキャラクターがあります。これはファミリーコンピュータ、スーパーファミコン時代の「ファイナルファンタジー」シリーズで装備品を購入しようとした際に、装備できるキャラクターが腕を上げるポーズを取るのですが、その手法が今作でも使われていたりします。

シリーズを通してプレイしてきている人にはお馴染みのドット絵。この画面に懐かしさを感じるユーザーも多いのではないでしょうか。

発売延期に加えてたくさんのバグがあるなどが原因で色々と酷評を受けている今作ですが、すぐに修正パッチや、アップデートによってこれからまた純粋にゲームとしてさらに楽しめるようになる旨のアナウンスもありました。これによって、今から始まる冒険が、筆者にとって、そして多くのプレイヤーにとってとても有意義な物になるゲームになるだろうと筆者は感じました。

ゲームをしていても、仕事をしていても、学校に行っても、友達と遊んでいても、何をしても無味乾燥として、言葉では言い表せない「あの頃の感覚」を忘れてしまっている人にはぜひとも感じて欲しいゲームの導入部分です。

さて、筆者もそろそろ導入部分から先に進めますね。

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著者プロフィール

Jim
Jimスチームパンクアーティスト
スチームパンクバンド『Arte Macchina』のボーカリスト。作詞、作曲、物語の原作のほか、ゴーグルや革細工等のスチームパンクアイテムの製作をしています。

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