ゲームガンバをご覧の皆さん、ドーモこんにちは! ティーズガーデンの川中です。いきなりですが、乗るしかないこのビッグウェーブに(古いか)! ということで、私も「モンスターハンター:ワールド」(以下、MHW)のライブ配信を始めました! こちらのチャンネルで配信していますので、よろしければご覧ください。あと、今回の内容とは関係ありませんが、最近プレイしていて一番びっくりしたのがこのシーンです。

ちけーよ……こえーよ……てかアンタ誰?

えっ、体より大きな獲物を丸飲みに?

さて、前回お話ししたアプトノスを丸飲みにするドスジャグラス。その光景はまるでヘビのようです。では、現実世界のヘビはどういう仕組みで獲物を飲み込んでいるのでしょうか?

「できらぁ!」とばかりに小型モンスターを丸飲み

【注】ここから実際のヘビの写真が出てきます。苦手な方はご注意ください。まあせっかく来てくださったのですから、ぜひ最後までお読みくださいまし〜。

ヘビが大きなものを丸飲みできるヒミツ

ヘビは「自分の体より明らかに大きい」ものを飲み込むことができます。でも、普通に考えて自分より大きいものを丸飲みできるわけないだろ……!? どういう仕組みなのだ?

アルビノのコーンスネーク。とてもキレイ

ヘビが獲物を飲み込む時、ヘビの体には3つの大きな変化が起きます。それらはいずれも他の動物には見られない特殊なものばかり。ヘビという生き物がいかに特別な存在であるかを私たちに教えてくれます。

こちらはレインボーボア。いかにもな風貌で格好良い

ヒミツその1、口が大きく開く

まず1つ目。ヘビの口はとても大きく開きます。角度にして最大約150°。つまり上下に対してほぼ水平に口が開くということです。この時点ですごい。みなさんの口はどれくらい開きますか(顎を痛めないようにご注意を……)?

私の手に咬みついているのは、ヒバカリというヘビ。うーん、口が大きく開いている。※真似しないでください

ちなみに「顎を外しているから口が大きく開く」と言われることがよくありますが、実際に顎が外れるわけではありません。ヘビの上顎と下顎は「方形骨(ほうけいこつ)」という他の動物にはないパーツでつながっており、これが蝶番(ちょうつがい)の働きをしているおかげで、顎を二段階にわたって開く(=より大きく開く)ことができるのです。

顎を開いてエサをムグムグと飲み込んでいるところ(※画像を一部加工しています)

さらに驚いたことに、ヘビの下顎の骨は左右でつながっていません。それってすごくないですか? 人間でも「アゴが割れている」と例えられることがありますが、ヘビは本当に割れているのです。

ニシキヘビの頭骨を正面から。下顎が左右でつながっていないことがおわかりいただけるだろう

顎が分離しているおかげで下顎が右手と左手のように動くため、咥えられた獲物は確実にゆっくりと口の奥に送り込まれます。牙は口の中に向かって生えているので、いちど引っかかるとどうやっても逆戻りはできません。

さらに言うなら、写真をよく見るとわかりますが、ヘビの歯って上顎には「4列」あるんですよね……。

ヒミツその2、ウロコがあるのに皮が伸びる

2つ目の変化は、ヘビの体の表面に起きます。ヘビを含めた爬虫類の体は、硬い鱗(うろこ)で覆われています。鱗は体を守るために存在するので、当然のごとく硬く、それ自体は伸び縮みをしません。

接近して撮ったヘビの鱗。魚の鱗とはまた性質が違うのだが、その話は別の機会に

つまり、体を鱗で覆われた爬虫類は、胴回りが伸び縮みしないということになります。実際にトカゲの仲間は基本的に鱗で固められている(お腹の膨らみに限界がある)ので、あまりにも大きな獲物を丸呑みにするということはできません。

しかし、ヘビは鱗と鱗の間に伸縮性の高い皮膚を挟むことでこの問題を解決しました。これで胴回りよりも太いものを飲み込んでも、鱗同士が引き離されることによって、胴回りのスペースを確保することができます。

人によってはグロかもしれないので少し画質を落とすが、鱗同士が広がっているのがよくわかる写真。エサを飲み込んだヘビの鱗の間に、うすピンクの皮膚が伸びていることがわかる

実際に獲物を飲み込むヘビを観察してみると、上の写真のようにしっかり広がった皮膚を見て取ることができます。「MHW」内では「ドスジャグラス」が「アプトノス」を捕食した後の伸びきったお腹にも、同じような変化を見ることができますね。

ヘビめいた大口を開いて咥えこんでからの……

鱗の間の皮膚が伸びる描写もバッチリ! 作り込まれているなあ

ヒミツその3、骨すらも変化する

そして3つ目の変化は、骨の変化です。よく考えると、いくら大きいものを飲み込める能力があっても、自分の骨が邪魔になっては意味がないですよね? 

僕たちには胸骨がある

みなさんの体ではどうなっているでしょうか。ちょっと自分の胸の真ん中をつついてみてください。硬い骨がありますね。これは胸骨(きょうこつ)といって、肋骨(ろっこつ)を体の前で繋ぎ止める働きをしています。

これがあるおかげで我々の体は頑丈に守られているのですが、反対にこの骨で囲われた空間よりも大きなものは飲み込めないということになります。もっとも哺乳類は食べ物を噛んで食べるように進化したので、丸飲みする必要はありませんが……。

ヘビにはそれがない

いっぽうヘビ。今までの話の流れで予想がつくかもしれませんが、ヘビには胸骨がありません。そのおかげで肋骨を外側に広げることができ、先に説明した二つの要素と相まって、胴体の太さより2~3倍も大きい獲物を丸呑みすることができるのです。

これについては拙い出来で恐縮ですが、私が描いた下のイラストを見てください。

ヘビには胸骨がないことを説明したイラスト。食べ物が通過するときに肋骨が開く。同時に、アゴが左右に分かれることと、方形骨の存在もわかる(上顎と下顎をつないでいる小さい骨)

このように、ヘビは他の動物にはない独特な体の仕組みをしていることがわかりますね。

ヘビはいいぞ

ヘビは手足がないのに、他の動物が手足を使ってできることは全てできるという、とても魅力的な動物です。みなさんも動物園などでじっくり観察してみてはいかがでしょうか。今回のまとめとして、私が「MHW」に言いたいことは次の一言です。

ヘビ型モンスター、はよ。

以上、ティーズガーデンの川中でした!

そんなドスジャグラスも、イビルジョーの前では無力なのであった……

おまけ

以前、沖縄のハブ採り名人とフィールド探索をした時の写真です。名人は専用のフック状の道具を使ってハブを捕獲します。

まだまだ小さいサイズだが、猛毒のヘビであることには変わりない。現実世界では解毒薬も簡単には手に入らない……(筆者はモンハンでよく解毒薬を持って行き忘れる)!

タツジン! このキバを見てほしい。そしてアゴが左右に割れていることもこの写真から確認できる。もちろん、南西諸島でハブを見かけたりしても絶対に素手で扱ってはいけない。名人でなければ危険である

※動物の写真およびイラストの著作権はすべてオフィスティーズガーデンに帰属しています。無断転載はお断りいたします。

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著者プロフィール

川中 豪(たけし)
川中 豪(たけし)オフィスティーズガーデン主催
生き物とゲームを愛する電脳ナチュラリスト。動物では特に爬虫類や古生物が好きです。最近は「ウルトラストリートファイター2」にもハマっており、ブランカでプレイしています。