夏休みといえば恐竜、と昔から相場が決まっていますね(ほんとか?)。ゲームガンバをご覧の皆さん、ドーモこんにちは! ティーズガーデンの川中です。「モンスターハンター:ワールド」には恐竜をモチーフにしたと思われるモンスターが多数登場するので、今回はそのことについてお話ししたいと思います。まずは最近のイチオシの一枚から。

薬は注射より飲むのに限るぜ、アンジャナフさん!

かつての恐竜のイメージ

みなさんの頭の中では、恐竜はどんな姿をしているでしょうか? 昔の図鑑や本などを開くと、恐竜は下のイラストのように、あからさまに怪獣のようなイメージで描かれています。

恐竜博士、お許しください! ということで昔ながらの恐竜のイメージ。ちなみに「ダイナソー」とは ”Dinosaur” で、「怖いトカゲ=恐竜」という意味になる。「ディノ」「サウラー」と読んでもいいのだが、いずれにせよダイナソーもディノサウラーも我々にはちょっと馴染みの薄い単語かも? 「ゾイド」がわかる人ならデスザウラーというメカをご存知だろう。あれは「死のトカゲ」という意味になる

いっぽう、研究が進んだ近年ではより生物的な視点から恐竜が復元されているので、昔の恐竜のイメージで今の図鑑を見ると、体毛が生えていたり、尻尾を引きずって歩いている恐竜がいなかったりと、その違いにきっと驚くことでしょう。

もし最近の恐竜図鑑を読んだことがない読者がいれば、一冊買ってみることをお勧めします。子供向けの図鑑なら一冊2,000円ほどで購入できますよ。子供向けの図鑑だからといって馬鹿にしてはいけません。子供向けの図鑑は、研究者が調べた難しいことをわかりやすく書いてくれているので、そのジャンルを初めに勉強するときに最適なアイテムの一つなのです。

では、話を進めていきましょう。なお、恐竜の分類や復元イメージについては諸説ありますので、今回の原稿についてはあえて独自の解釈を取り入れている部分があることをご了承ください。

恐竜とは?

まず、恐竜は2億5千万年前から6,600万年前「まで」生きていた生き物です。66,000,000年もの昔。ものすごい歴史を感じますね。ちなみに人類がアフリカで誕生してから700万年ほどしか経っていません。

地球の歴史は、生き物が誕生してから古い順に「古生代」「中生代」「新生代」と呼ばれます。その中で、恐竜が暮らしていた時代は「中生代」に当たります。「新生代」はわれわれ哺乳類の時代ですね。さらに、中生代は次のように3つの時代に分けられています。

中生代・三畳紀:いまから2億5000万年前~2億年前まで
中生代・ジュラ紀:いまから2億年前~1億5000万年前まで
中生代・白亜紀:いまから1億5000万年前~6600万年前まで

三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の順に時代が進んでいることになります。多くの人が恐竜と聞いてイメージする時代は、ジュラ紀でしょうか? 有名な恐竜映画「ジュラシック・パーク」シリーズのタイトルにも使われていますね。

ジュラ紀の公園(ジュラシック・パーク)

「ジュラシック・パーク」で登場するティラノサウルスが、ジュラ紀の恐竜ではなく白亜紀の恐竜であることは、恐竜好きの間では有名な突っ込みどころになっていますが、私から言わせるとそういう様式美にいちいち口を挟んではいけない。それは野暮というものヨ。そんなことを言ったら「ドラえもん/のび太の恐竜」だって……うわなにをするやめろ(後半で説明がありますが、恐竜ではなく首長竜がメインキャラなため)。

閑話休題。それぞれの時代を簡単に説明すると、三畳紀は恐竜が生まれた時代、次のジュラ紀は恐竜が発展した時代、そして最後の白亜紀は恐竜が新たな多様性を示しかけた時代(途中で絶滅しちゃう)です。

恐竜とひとくちに言っても多様性に富んでいるので、さぞかし分類も大変なのだろうなと思いきや、グループの数はそれほど多くありません(もちろん調べる作業は大変だったでしょうが!)。

恐竜はたったの2グループ

まず、恐竜は「竜盤類(りゅうばんるい)」と「鳥盤類(ちょうばんるい)」の2グループに大きく分けられます。野球にセ・リーグとパ・リーグがある、そんな感じです。その中でグループごとのチームに分かれます。

竜盤類・獣脚類 [A]
竜盤類・竜脚形類 [B]
鳥盤類・鳥脚類 [C]
鳥盤類・装盾類の剣竜 [D]
鳥盤類・装盾類の鎧竜 [E]
鳥盤類・周飾頭類の角竜 [F]
鳥盤類・周飾頭類の堅頭竜 [G]

[A]獣脚類(じゅうきゃくるい)とは

竜盤類・獣脚類は、ティラノサウルスをはじめとする肉食の恐竜のグループです。二本足で歩くことが特徴で、10m以上になるものから小型のものまで、さまざまなサイズの恐竜がいました。

獣脚類の代表選手といえば、ティラノサウルス。ここではあえて羽毛を生やさず、どっしり構えたフォルムで描いてみました

「MHW」では「アンジャナフ」がティラノサウルスをモチーフにしている模様。よく見たら体毛が生えていますね。怒るとどこからともなく翼が生えます。ここはたぶん鳥類リスペクトのモンスター要素

しかし、なぜ彼を序盤モンスターにしてしまったのか。終盤の強敵にしてもよかったのではないか。ゲームを進めるとそれほど強い敵ではなくなるので、いつも新しい武器の試し斬りに利用してごめんなさい……

また、獣脚類の中から翼をもつものが現れ、鳥類に進化したことがわかっています。これはヴェロキラプトル(名前を聞いたことがある人は多いかも?)を含む小型獣脚類の中で起きた進化なので、ティラノサウルスが鳥類に進化したわけではないのですが、まあ、ティラノサウルスの親戚が鳥になったと考えましょう。

ヴェロキラプトル。かつては巨大な後ろ足の爪は狩りに使ったとされていましたが、足の指、ましてや一本の爪だけで狩りに挑むというのは合理性に欠くので、今では木登りのためのフックであったと考えられています

「MHW」では「イビルジョー」も獣脚類タイプのモンスターですね。かわいそうな「ドスジャグラス」を咥えてぶん回しているところ。なんとなく盆踊りを連想

ゲーム内では「シンリンシソチョウ」という環境生物が登場。実際に「始祖鳥」という恐竜の名を耳にしたことがある読者も多いと思いますが、始祖鳥は残念ながら鳥類に進化したものとは別のグループで、鳥にはなれませんでした

こうやって見るとゴーヤ、否、禍々しさが形を手にしたかのような造形をしていますね。ゲームのクリエイターの皆様には脱帽するばかりです

[B]竜脚形類(りゅうきゃくけいるい)とは

竜盤類・竜脚形類は、4本足で歩き、首と尾がとても長いことが特徴の恐竜です。「ディプロドクス」「スーパーサウルス」「アルゼンチノサウルス」あたりが有名でしょうか。全長30mを超える巨体を草食で維持していた彼らは、現代の動物で例えるなら、ゾウのような存在です。

急にイラストがゆるくなったように見えるが気にしない。ディプロドクスをはじめ竜脚形類は、そのサイズや骨格からして、まさに「動く吊り橋」なのである

[C]鳥脚類(ちょうきゃくるい)とは

鳥盤類・鳥脚類は、イグアノドンやパラサウロロフス、エドモンド本田エドモントサウルスなどのグループです。このグループの恐竜たちは2本足で歩くもの、4本足で歩くものに分かれ、その外見やサイズも様々です。ほかに、子育てをしたことがわかっているマイアサウラや、日本で化石が発見された「フクイリュウ」もこの仲間です。

ゲーム内では「アプトノス」という鳥脚類めいたモンスターが登場します。なぜかプレイヤーからは「生肉」と呼ばれているのですが……その理由はお察しください

鳥盤類・鳥脚類はいかにも鳥類に進化しそうな名前なのですが、このグループが鳥になったのではありませんのでご注意ください。

[D][E]装盾類(そうじゅんるい)とは

鳥盤類・装盾類はその名の通り、盾を身にまとった恐竜ですが、その盾のスタイルによりさらに「剣竜(けんりゅう)」と「鎧竜(よろいりゅう)」に分かれます。

剣竜、鎧竜あたりになると名前からモンハンっぽさが漂いますね(タイトル回収)!

剣竜の代表種はステゴサウルス、鎧竜の代表種はアンキロサウルスではないでしょうか。どちらも「あ、これ何となく見たことがある!」という恐竜かもしれません。

これは鎧竜・アンキロサウルス。映画「ゴジラ」に登場する「アンギラス」のモデルになったとも言われていますね。こういう角や装甲をまとった草食動物ほど普段は大人しいものの、身の危険を感じると獰猛になります。「アフリカのカバ」の話が有名です

アプケロス。一見カメかと思いきや、お腹の甲羅(腹甲)がないのでカメではありません。鎧竜タイプのモンスターのようです。とはいえ、「ケロ(ケローン)」というワードにはカメという意味が含まれています。例えば、史上最大のウミガメ「アーケロン」は、アーク(古代の)ケローン(カメ)という意味です

[F][G]周飾頭類(しゅうしょくとうるい)とは

鳥盤類・周飾頭類もその名の通り、頭の周りに飾りを持つ恐竜のグループです。こちらもそのスタイルにより「角竜(つのりゅう)」と「堅頭竜(けんとうりゅう)」とに分かれます。

「MHW」で新登場した小型モンスターその1、ケストドン。堅頭竜のイメージはこんな感じ。戦闘中に後ろから頭突きをかけてくるのやめてもらえませんかね……

同じくその2、ガストドン。火山に生息する(画面が赤い)ため、その姿を正確に覚えられていない不憫なモンスターでもあります

堅頭竜の仲間は一度名前を聞くと忘れられない「パキケファロサウルス」が、角竜の仲間は「トリケラトプス」が有名でしょう。

パキケファロサウルス(パキ=厚い、ケファロ=頭)。固い頭は敵と戦う武器ではなく、雄同士で力比べをするためのものだという説があります。確かに、生き物の一番の急所(頭)を積極的に武器に使うというのはおかしな話かもしれません。す、スーパー頭突き……

そういえば、ゲーム内では「ディアブロス」に「角竜」というそのまんまの名前が付けられていますね。

角竜の代表種、トリケラトプス。名前は、トライ(3つの)ケラト(角)オプス(顔)という意味。トライ・セラ・トップスという区切りではないことに注意※同名のアーティストとは関係ありません

こちらはゲーム内の角竜・ディアブロス。角は2本、そのうえ前足に羽があるワイバーン体系のモンスターなのでトリケラトプスとはだいぶ違うが、イメージは角竜そのもの

とりあえずヤバそうなので逃げる

プテラノドンとかイクチオサウルスは?

ここで「あれ? 空や海にも恐竜っていなかったっけ?」と思った方や、「そういえば、モササウルスって最近よく聞くけど何の恐竜の仲間なの?」と思った方もいるでしょう。みなさん、スルドイ。

実は、プテラノドンやケツァルコアトルスなどの「翼竜(よくりゅう)類」や、プレシオサウルスやエラスモサウルスなどの「首長竜(くびながりゅう)類」、イクチオサウルスをはじめとする「魚竜(ぎょりゅう)類」、そしてモササウルスの「モササウルス類」は、「恐竜類」ではありません。

[H]翼竜
[I]首長竜
[J]魚竜
(モササウルスはコモドドラゴンでお馴染みの、オオトカゲの仲間と考えられています)

[H]翼竜

翼竜、プテラノドン。体重を限界まで軽くし、風を受けて空を舞う。またの名を飛翔の蝙也。プテラ・ノ・オドンで「翼はあるが歯は無い」という意味になります。おろ

こちらはゲーム内の翼竜。アイボー、この翼竜の止まり木から向こう岸に行けますよ……!

[I]首長竜

真偽のほどはさておいて、ネッシーのご先祖様とも言われる首長竜。これはエラスモサウルス。海中で暮らしていたという事は、胎生(卵ではなく子供を産む)だったという説があります。イラストが急にゆるくなったのは気にしない(2回目)

[J]魚竜

魚竜、イクチオサウルス。イルカ(哺乳類)に似ているけど、よく見ると手足の付き方とヒレの向きが違う。トカゲの手足が4本のヒレになり、背中と尾のヒレは手足に関係なく伸びたものだ。名前はイクチオ(魚)サウルス(トカゲ)という意味になる

進化の歴史上、恐竜類とこれらの古生物達はかなり古い段階で枝分かれしているので、見た目や大きさは似ていても、違う生き物であるというのは上で述べた通りです。

恐竜時代の終焉

驕(おご)れるものは久しからず、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす。いや、決して恐竜達が驕りたかぶっていたわけではないのですが、およそ2億年もの長きにわたって栄えた恐竜時代も、6,600万年前のある日、突如終わりを告げます。

それは誰もが予想し得なかったことでしょう。地球に飛来したのは、直径が10kmを超える巨大隕石でした。数字だけ聞くとピンと来ないかもしれませんが、山手線の直径が約6kmなので、降ってきた岩はそれよりも大きいということです。

この時の衝撃波は24時間のうちに地球の裏側まで達したとも言われています。そのため地上にいたほとんどの生物は死に絶え、その後も隕石落下による地殻変動や気候の急変(寒冷化、煙による太陽光の遮断など)により、長い時間をかけて恐竜や翼竜などの古代生物たちは絶滅していきました。

かくして、栄華を極めた恐竜たちの時代は終わりを告げたのです。

まだ残る謎と、かすかな期待

しかしながら、恐竜の絶滅についてはまだ完全に解明されたわけではありません。恐竜は絶滅したのに、なぜ同じ時代に存在していた哺乳類や鳥類、爬虫類や魚類、昆虫などの、今につながる生き物たちは絶滅を免れたのか。これについては現在も究明が進んでいます。ヒントは「土の中」にありそうですので、興味があれば考えてみてください。

そして、空想も広がります。大量絶滅を免れた生物がいたのなら、恐竜が生き残っていたとしてもおかしくはありません。一部の恐竜は鳥類に姿を変えて現在も繁栄していますが、そうではなく、太古の姿を残したままの恐竜が地球上のどこかに隠れているかもしれません。

果たして、本当に恐竜は完全に絶滅してしまったのでしょうか。もし恐竜が生き残っていたのなら、私たちも「モンスターハンター:ワールド」の世界を体験できるかもしれませんね。今回はお後がよろしいようで……。

ではまた!

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