ゲームガンバをご覧の皆さん、ドーモこんにちは! オフィスティーズガーデンの川中です。

こちらは「モンスターハンター:ワールド」(以下、MHW)の砂漠エリアに生えているサボテン。

そしてこれが、そこで捕まえたファイナルファンタジーコラボイベントのサボテンダー。

二人の相性はバッチリ!

このように、乾燥した砂漠にはたくさんのサボテンが生えています(ん、左上に何か見えているような……)。

ところ変わってこちらは現実世界。というか筆者の自宅。

Q:これはサボテンですか

A:はい、サボテンです。

(後ろの地図の、これでもかという位使い倒した感は気にしないでね!)

Q:これもサボテンですか?

A:はい、これもサボテンです。

Q:では、これもサボテンですか?

A:いいえ、これはサボテンではありません。

「ええ゛ーーっ!??」

ということで並べてみたこちらの二つの鉢。

左はサボテンですが、右は実は「ユーフォルビア」という、サボテンとは全く異なる植物なのです。

筆者宅で育てているこのふたつも、ホームセンターで両方「サボテン」として売られていました(まれによくある)。

サボテンとユーフォルビアのように、姿はよく似ているのに中身が全く異なるというこの現象は生物の世界でしばしば見られ、収斂(しゅうれん)現象と呼ばれます。

収斂現象を格闘ゲームで例えると、ストリートファイターと餓狼伝説、もしくはバーチャファイターと鉄拳との関係がそれに当たります(ほんとか?)。

動物だとモモンガとフクロモモンガの関係なんかがそうですね。

さて、このサボテンにそっくりなユーフォルビア。育てて楽しむ分には全く問題ないのですが、実は樹液に毒があります。

ちょっと失礼して、ユーフォルビアの一部をカッターで切り取ると……。

下の写真のように、白い接着剤のような乳液が出てきます。

この液体には毒があるので注意しましょう。もっとも、変な味がするので飲み込むに至ることはないとは思いますが……。原産地では非常に毒の強い種類のものも生えているそうです。

繰り返しますが、ユーフォルビアを普通に育てて楽しむ分には何ら害はありませんので、心配はご無用です。

とはいえ、飼っているペットが間違えて口にしたり、乳液がうっかり目や傷口に入ったりしないよう気を付けましょう。

ユーフォルビアの樹液をちょっとだけ舐めてみました。私、仕事上こういう体験は演出ではなく本当にやっています。そのお味はというと……。
※絶対に真似しないでください!

!!

舐めた瞬間に口の中全体に違和感が広がり、次にじんわりと舌の先から嫌な苦味が伝わっていきます。その後は舌にラップを巻かれたような感覚がしつこく残ります。

ちょっと焦りましたが、原稿を書いている今(1時間後くらい)は無事に元の感覚に戻りました。舐めた量が少しなので大して反応はないとタカをくくっていたのですが、その予想の上を来られた印象です(なお、舐めた後はじゅうぶんにうがいをして吐き出しています)。

植物から出る「白い汁」はユーフォルビアに限らず有毒(毒性の強弱はありますが)なので、覚えておいて損はないでしょう。

逆に、サボテンの樹液は透明な水で毒はなく、むしろ食用になっているほどです。例えば中米ではウチワサボテンをバターで炒めたものが「サボテンのステーキ」として親しまれています。

このように紛らわしいサボテンとユーフォルビアですが、自然界では間違うことはまずありません。なぜなら生えている大陸が違うからです。

サボテンの仲間は北米から南米の「アメリカ大陸」に分布しています。

地図の使い倒した感は気にしないでね(大事なことなので以下略)。

いっぽう筆者が持っているサボテン型のユーフォルビアの仲間は「アフリカ大陸」に分布しています。

つまりサボテン状の植物のうち、アメリカ大陸で出会うものはサボテン、アフリカ大陸で出会うものはユーフォルビアといえるのです。ただし人が広げてしまったものなど、若干の例外はあります。

まあ、現地でこれらの植物と出会う機会のある人も少ないでしょうから、手元での見分け方を紹介しておきましょう。

まず先ほど試したように、少し傷をつけるとユーフォルビアからは白い乳液が出ます。サボテンの場合は透明の水しか出ません。
※店頭に並んでいる植物を傷つけることは絶対にしないでください。

実際には、以下の方法が見分ける際に有効です。棘の根元をよく見てください。

上の写真はユーフォルビアの棘。茎からダイレクトに黒い棘がニュッと生えています。

反対に、サボテンの棘の根元には、白いふわっとした台座のようなものがあります。これは「刺座(しざ)」と呼ばれ、サボテンだけが持つ器官です。

要は刺の根元を見て、刺だけが生えていればユーフォルビア、刺の根元に何かがあればサボテンというわけです。それでは下の写真はどうでしょうか? 観るポイントは同じなので当ててみてください。

これはユーフォルビアですね。

これはサボテンです。

いかがでしょうか。どちらも姿形のバリエーションがとても多い植物ですが、この2点を知っておけば見間違えることはないかと思います。

ちなみに今回検証に使ったこの2本、接ぎ木してあります。左のサボテンは上半分に別のサボテンを接いであり、右は同じように二つのユーフォルビアを上下で接いであります。

接ぎ木は植物の栽培では個体を強くするためによく使われる手法です。サボテン同士、ユーフォルビア同士であれば接ぎ木は可能ですが、サボテンとユーフォルビアの接ぎ木は不可能であり、このあたり植物の面白いところだと思います。

よく「私、サボテンも枯らしてしまうの…」という人がいるのですが、水やりのコツさえ間違えなければ育てるのは簡単です! 興味を持った方は調べてみてください。

物言わぬサボテンやユーフォルビアですが、じっくり育てているとある日突然花を咲かせてくれることもあり、ひとしおな愛着が湧いてくるものです。

「MHW」の開発者さんたちはどのようなイメージでサボテンをデザインされたのでしょうか。その辺りの開発秘話なんかも機会があればお聞きしたいですね!

ゲームではサボテンを採集するとポイント(お金のようなもの)がもらえますが、例えばユーフォルビアを採集すると毒でスリップダメージを受けるとか(笑)。想像が膨らみます。

というわけで、今回はこのへんで。以上、ティーズガーデンの川中でした!

 

おまけ

サボテンを探していたらディアブロス亜種に襲撃されたの図(上の写真の続きです)。

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著者プロフィール

川中 豪(たけし)
川中 豪(たけし)オフィスティーズガーデン主催
生き物とゲームを愛する電脳ナチュラリスト。動物では特に爬虫類や古生物が好きです。最近は「ウルトラストリートファイター2」にもハマっており、ブランカでプレイしています。