2018年6月29日~7月1日に、アメリカはフロリダにあるオーシャンセンターにて、大規模な格闘ゲーム大会「CEO2018」が開催された。今回は、自分がそこに参加してきた話をお届けしていく。「そもそも、なんでキミがアメリカに行ってるの?」という疑問をお持ちの方もいると思うので、その辺も含めて、順を追ってお話しをしていこう。

[リリース]若者支援事業の一環としてe-sports事業部を設立

これは「ウルトラストリートファイターII」などのYouTubeライブ配信でおなじみの、中野サガット氏が勤務している株式会社ゼクサスのリリースだ。その内容は、e-sports事業部発足にともなう活動の第一歩としてアメリカ・フロリダ州にて開催される格闘ゲーム大会「CEO2018」に参加する……というもの。

このとき実は、自分は中野さんから「海外遠征の経験が豊富な人を紹介してほしい」という依頼を受けていた。何しろ中野さんは初めて海外の大会へ行くわけだから、このオーダーは当然と言えるだろう。それならばということで、今回の任務に最適任だと自分が判断したオオヌキくんを紹介したところ、スポット契約という形で契約が締結された。これにて一件落着。それじゃあ中野さん、元気にアメリカ行ってきてね!

と、話はここで終わるはずだったのだが、そのあと中野さんがとんでもないことを言い出した。

「FOOすけさんも行きましょう^^!」

普通に考えればありがたい申し出かもしれないが、まず、自分は長いことアーケード版の「ストII」は遊んでおらず、実機に近い「スーパーストリートファイターII ターボ(日本で言うところの『スーパーストリートファイターII X』)」では戦える気がしない。それより何より、自分は飛行機が苦手なのだ! 海外遠征すなわち飛行機に乗ることと同義なので、こればかりは断らざるを得ないと思っていた。

しかし、中野さんとオオヌキくんという初対面同士で今回の遠征を成功させるには、自分が潤滑油として同行したほうがいいこともまた事実。ほかにもいろいろな要因が重なった結果、今回は遠征に参加することを了承せざるを得ない結果となった。こうして、波乱に満ちた旅が始まる……。

往路、まさかの空港で足止め! チーム中野の運命やいかに!?

今回、オオヌキくんから事前に得られた情報では、自分たちがこれから使おうとしている航空会社にトラブルがあり、到着が1日以上遅れている先発組がいたとのこと。若干の不安もあったが、結果的には成田から中継地点であるアトランタまでスムーズに移動できたことで、アトランタ国際空港に着いたころにはそんな話もすっかり忘れていい気分になっていた。しかし、このあとフロリダへと移動する間にトラブルが起ころうとは、もちろん予想だにしていなかったのである……。

来たぜアメリカ! と思いきや、ここからが地獄の始まり……!

最初のトラブルは入国審査だった。このとき、アトランタからフロリダ行きの便に乗り換える待ち時間は3時間。「何して時間をつぶそうか?」と余裕を見せるほどに時間はあったはずなのだが、いざ入国審査が始まると、そこにはものすごい長蛇の列。しかも、審査は遅々として進まない。

それもそのはず、大挙して押し寄せる利用客に対して、稼働している窓口は10箇所にも満たない。さらに、すばやく機械でチェックできる窓口はなぜかすべて閉められている。なにゆえ!? そこで係員の人に聞いてみました。すると返ってきた答えは……。

「上の者の判断ですので私どもにはわかりかねます」

ちょっとしっかりしてよ上の者~! ……結局、この審査だけで空き時間のほとんどを消費し、乗り換えのタイミングもギリギリになってしまっていた。

さらに、この乗り換えがまた曲者だった。予定時間がきても一向に出発のアナウンスがないのだ。しかも、モニターの表示を見ても、我々の便は延発が告知されるばかりで搭乗できる雰囲気すら感じられない。とは言え、いずれは乗れるはず……と、待ち時間に美味しいハンバーガーをいただくなど、このときはまだ精神的な余裕を保ちつつ時を過ごすことができた。

バンズに挟まった肉々しいパティとチーズが絶品のチーズバーガーに、ビッグサイズのドリンクとポテトをセットでいただきます。とても美味しく、不運な境遇のなかでも幸せを感じられたひととき

そうこうするうちに日もとっぷりと暮れ「さすがに待ちすぎじゃないの?」と思い始めた、現地時間の21時あたりからだっただろうか。延発を繰り返していた飛行機が、今にも搭乗できそうな雰囲気を見せ始めた。というのも、これまでは2時間刻みぐらいで変更されていたモニター表示の出発時間が、なんと20分刻みの短い間隔に変わったのである。つまりこれは、そろそろ出発する目処が立ってきた、ということでよろしいですか?

しかし残念、これは航空会社の罠でした。結局、その20分刻みで進んでいた延期の告知は0時前までつづき(ひどい)、日が変わった頃にはしれっと「翌朝7時発」という文字に変更。これって「出る出る詐欺」じゃないですかね? こうなると、もうこの日はフロリダに行く術がないばかりか、宿泊できる場所すらない。すでに10時間以上も搭乗を待っていた我々だが、ここからさらに明日の朝まで空港で待つしかないのか。というより、飛行機でろくに寝ていないのに、どうやって休息を取ればいいのか……。

これではいかんと、すぐに日本の旅行代理店に電話して事情を話し、今後の身の振り方を相談するも、最終的に「こちらでは対応できません」とすげなく扱われ終了。ここでトラブル発生時に有効となる保険を使って近場のホテルに、という案も出たが、翌朝7時という早い出発時刻に加え、宿泊先と空港を往復する移動時間を考えるとお金だけかかって十分に休むことはできないと判断。かくして疲弊しきった一行は、ロビーの過剰な冷房のなか、震えながら朝まで待つことになったのであった。

トラブル発生で旅行代理店にヘルプを求める中野さんだったが、有効な解決策は得られず

さて、そうなると朝までやることもなく、ここで自分が持ってきたアナログカードゲームを机に広げてプレイすることに。幸いにもこれはとても楽しく、待ち時間もまったく気にならない。そんなところに、閉店間際だったフードスタンド「Phillip’s Seafood」の店員さんがやってきて「(アメリカへ)ようこそ!」と言いながらスプライトを振る舞ってくれたり、空港に訪れていた客がカードゲームに混ぜてくれと言ってくるなど、プチイベントも発生。こうして時間は飛ぶように過ぎ、朝を迎えてふたたび搭乗口へと向かった。

カードゲーム「ドミニオン」をみんなでプレイ中。途中「混ぜてくれ」と申し出てきたのは、ボードゲームマニアの“Crazy”Ivan氏。自宅の書斎に420種類以上ものアナログゲームを所有しているという生粋のアナログゲームマニアで、ドミニオンも超強かった!

朝一番、あらためてモニターの出発時刻を見て我々はがく然とした。なんと、前日から搭乗予定だった便がしれっと「欠航」になっていたのだ! 欠航ということは、要するにその便はもう出ないということだ。にわかに信じがたい結末に一同はあ然としたが、欠航だろうがなんだろうが、我々は仕事としてフロリダに行かなければならない。しかし、どうすれば……。

ここで、現地勢であるのぶおさんが電話による援護射撃をしてくれて、彼の通訳を交えながら代替便について交渉してもらうことになった。そうして航空会社から渡されたのは謎のチケット。どうやら、それを持って2時間後に搭乗口へ行けばフロリダ行きの飛行機に乗ることができる(?)、というものらしい。

すでにこの時点でオオヌキくんの「ドラゴンボール ファイターズ」への出場は絶望的だったが、それでも今日フロリダに到着すれば、明日開催の「スーパーストリートファイターII ターボ」には出場が可能だ。となれば待って乗りこむしかない。

しかしこのチケットは搭乗チケットではなく、ただの「キャンセル待ち券」だった。……ってなんだそりゃ! 結局、その便でキャンセル待ちが出ることはなく、チームの誰ひとりとしてフロリダ行きに搭乗することはかなわなかった。さらに、その2時間後に出発する便の抽選券を持って待ってみたのだが、そこでも誰もフロリダ行きには乗れず、さらにつぎの抽選に……。

いやいやいやいや。こんなことを繰り返していたら、あとどれだけ空港で足止めされればいいのかまったく予測できないし、絶対に明日の試合に参加できなくなる。ここでチーム中野がとった行動が「航空便をキャンセルしての陸路による移動」だった。車なら、アトランタからフロリダまで8時間ほどかかるものの、確実に着くことができるはず。……というわけで、チケットをキャンセルし、不本意ながらようやく事態を前に進めることに成功したのだった。

「Uber」でアトランタからフロリダまで行ってくれるという車をゲット! ようやく先に進むことができる……のか?

車のなかでは、最初こそ多かった口数も空港でたまった疲労には勝てず徐々に減っていき、ついには誰もがウトウトと眠り始めていた。しかし、自分だけは「ここで全員寝たら空き地に連れて行かれて殺されて荷物を奪われる」という謎の強迫観念に囚われており、そうならないためにも頑張って起き……ていようとしたのだが、やはり睡魔には勝てず寝落ち。

幸いにも、これで誰かが行方不明になるようなこともなく(当然だ)、途中、何度かトイレ休憩をはさみながらも現地時間の午後9時過ぎには無事にフロリダのデイトナビーチ国際空港へと到着することができた。こうして現地組であるのぶおさん及び、先発してフロリダに到着していたORO_NINEさんとの合流を果たす。

フロリダまでの道中は、広大なアメリカの大地を突っ切る道路に沿って移動。途中、素敵な雰囲気の家が数百メートルおきに建てられていて、アメリカの国土の広さをどことなく実感させられた

これで明日の大会には出られるな……と思った一行だったが、実はまだ苦難はつづいていた。のぶおさん情報によれば、空港で荷物管理をしている係員はすでにおらず、預けておいたトランクは翌日10時まで出せないとのこと。そんなことを言われても、着替えは全部トランクのなかだし、明日使うジョイスティックだってトランクにある。ここで回収できなければ、翌日の大会参加は困難になること間違いナシだ。

ここで一行はまたもや賭けに出た。それは、午後11時ごろにデイトナビーチ国際空港へと到着する最終便に合わせて、強引に我々の荷物もゲットしてしまおう、というもの。果たしてそれは成功した。最終便のトランクの管理をしていた係官に事情を話したら、トランクを収納してある部屋に入れてもらうことができたのである! いやはや、やってみるもんだね! こうして各々は荷物を確認してゲットし、これで遅まきながらもようやくすべての準備が整った。

ようやく到着できたデイトナビーチ国際空港。ただし陸路からだけど……

何とかホテルに着いた一行だったが、じゃあゆっくり寝ようか、というわけにもいかなかった。なぜなら、多少なりとも実機で調整をしておかなければ、明日の実戦が不安で仕方がないからである。結局、当日は朝方近くまで調整を行ない、2時間ほど睡眠をとってから会場へと行くことになった。気力・体力ともにこんなボロボロな状態で、果たして予選通過なんてできるのでしょうか……。

チーム中野、ついに始動。気になる初日の戦績は……

我々の大会参加初日(CEO2018は2日目)の朝は、睡眠不足ゆえに誰もがぐったりとしていたが、大会が開催されるオーシャンセンターに到着する頃にはすっかり気分は高揚し、活性化していた。それと言うのも、日中のフロリダを見るのはこれが初めて。見るものすべてが珍しくも美しく、フロリダの景色のよさに自然と気持ちも昂ぶってくる。そもそも前日夜の時点では暗くて景色が見えず、自分たちのホテルがビーチ沿いにあるということすらわかっていなかったのだから笑うしかない。

オーシャンセンターに到着。とにかく大きな建物で、内部もとてもきれい!

オーシャンセンターに到着すると、まずは手荷物検査が行なわれた。意外としっかりとカバンの中身までチェックされるあたり、アメリカに来ているんだなあ、という感じがとてもする。そうして入った会場の中には、自分がこれまで見たことのないゲーム大会の風景が広がっていた。

会場のなかには、長テーブルを4つの辺として組み合わせて正方形に並べたゲームスペースがあり、各テーブルには2台のゲーム機とモニターが置かれていた。要するに、8台のゲーム機と8つのモニターが1グループとなっていたわけだが、会場内にはそんなグループがところせましと用意されていて、そこに出場者が自前のコントローラーを接続してゲームをプレイしている。日本の大会スタイルとしてはちょっと見られない光景だ。

手荷物チェック中。うわべだけでなく、カバンの中身までチェックするしっかりした検査だった

入り口付近にはゲームグッズを扱った物販が。可愛いグッズばかりで購買欲求が高まっていく

ゲームパーツを扱っているショップも発見! 現地で愛用のコントローラーが壊れてもすぐに修理できそうなほど、さまざまな部品が置いてあった

会場に入って、即、ウメちゃんに遭遇。レジェンドとのトークにご満悦な様子の中野さん

会場内では、ゲーム機が8台1グループとして写真のような形でセッティングされていた

Afro Legends選手と野試合で戦っている中野さん。このときはほとんど互角のいい勝負を展開していた!

ひとしきり会場を見回ったあとは、自分たちの出場種目がある「スーパーストリートファイターII ターボ」のグループ付近に位置取り、野試合をしたり、会場の様子を見ながら開催時間を待つ。この日は、オオヌキくん、中野さん、甲斐さん、そして自分がゼクサス所属として参加し、現地ではそれに同じ日本人勢のORO_NINEさんも加わってプール抜けからのベスト8を目指すことになる。

そのプールの組み合わせについては、おそらくCEO側から同一プール内でなるべく同国の選手が当たらないような配慮がなされていたようだ。さらにもう一つ、今回のCEOでは日本人のプレイヤーの多くが配信席(配信用の機材がセッティングされた席)でプレイさせてもらえたのも印象的だ。とくに後者は、日本の「ストII」ファンに対するCEO側の大きな配慮であったことは想像に難くない。これは、大変ありがたいことと言えるだろう。

今大会でのレギュレーションはいわゆる3先というもので、最長5ゲームを戦うことになる。最初のキャラクターは好きに選べて、最初の試合に勝ったほうがキャラクター固定。負けた方は任意でキャラクターチェンジが行なえるというシステムだ。禁止されているのは豪鬼のみで、それ以外のキャラクターはすべて選択できる。ダブルイリミネーション方式が採用されており、1回負けてもルーザーズトーナメントを経由して勝利を狙うことが可能なシステムだ。

ここでの戦いは、係員に名前を呼ばれた人が指定された台へ向かい、そこで選手同士が座って行なう。コントローラーは自前のものを使用し、試合前にセッティングも可能だ。また、アーケードコントローラータイプのものを使う選手はそれをヒザに置いたり、椅子の上に置いて戦うプレイヤーもいるなど、かなり自由な感じだった。ちなみに、観戦や応援などもフリーで、人気選手のプレイしている真横で叫びながら熱烈に応援する人の姿なども見ることができた。

そんななかで始まった戦いだったが、チーム中野は中野さん、オオヌキくん、そして自分が各プールをトップ通過。甲斐さん、ORO_NINEさんは残念ながらルーザーズに落ちてしまったものの、それでもプールを抜けて全員がベスト24への進出を果たすことができた。途中、中野さんがセットカウント2―2になって危うくルーザーズに落ちかけたり、自分が対戦中にポーズをかけてしまい1セット取られるといったハプニングもあったが、結果としては概ね上々というところだったのではないだろうか。

ベスト24の戦いでは、オオヌキくんのみウィナーズの状態でベスト8へ。一方、中野さんがAfro Legends選手に破れ、自分がdamdai選手に破れたが、それぞれルーザーズトーナメントからのベスト8入りを果たす。また、ORO_NINEさんは13位タイ、甲斐さんは17位タイの成績を残して終了となった。

かわいいワンちゃん(名前:Ginger)を乗っけて戦っているのはバルログ使いのPapa Claw & Paw選手。中野さんをあわやルーザーズに落としかけた強敵だ。コントローラーは自作のもので、外側のお値段は日本円で約680円也!

プール戦で個人的にいい試合だと感じたのが甲斐さん(ガイル)の対ダルシム戦。開始時は多くの人がこれは負けるだろうと思っていたところ、その予想を覆し、1セットも落とすことなく勝利!

damdai選手に破れた瞬間のORO_NINEさん。オーバーアクションが楽しすぎて周囲のみならず実況やdamdai選手も大いにウケていた(笑)

また、この日は同時に「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」のトーナメントも実施された。こちらは予選から決勝までが1日のなかで実施されたのだが、出場したオオヌキくんが一気に頂点まで駆け上り、貫禄の優勝。翌日の「スーパーストリートファイターII ターボ」の決勝トーナメントに向けて勢いをつける形となった。

参加初日のプログラムをすべて消化し食事を終えてホテルに戻ると、この2日間の疲労がどっと出てくる。しかし、まだ戦いは終わっていない。3人がベスト8入りを果たしたことで翌日に向けても調整が必要な状況だったが、すでに全員が体力的に限界だと感じており、この日は早めの就寝を選択。翌朝に早朝練習をするということで、6時間程度の睡眠時間が設けられた。思えば、このときが今回の遠征で一番ゆっくりできた時間だった。

チーム中野、3人がベスト8入り確定! 左の人、妙にお腹がぽっこりしてますね……

「スーパーストリートファイターII ターボ」の予選と同じ日に、「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」は決勝トーナメントまで消化。オオヌキくんは無敗のまま優勝!

2日目、運命の決勝トーナメント。優勝を掴んだのは……!

早朝の練習は、2セットのPS4を使って、ひたすらプレイするというスタイル。決勝直前のこの段階で細かなことをやっても仕方のない状況だったので、対戦を重ねて感覚を研ぎ澄ますという感じのプレイ内容ではあったが、自分としては使用キャラクターのあらゆる技がうまく出せていないことに致命的なものを感じていた。しかも、この練習でもそこを埋められたという手応えを感じられないまま、出発の時間となってしまう。

翌朝、予定よりすこし早く目覚めてベランダから外を見ると、デイトナビーチには神々しい払暁。居ても立ってもいられず、すぐにビーチへ向かい日の出を写真に収めてきました

決勝トーナメントでは、各選手が事前に設定しておいた入場曲を流しながら花道を通ってリングへ向かうという演出が用意されていた。格闘系番組のようなクオリティが感じられるものだったが、他のプレイヤーがのきなみ真面目に入場していたので、なんとなく盛り上げてみようと、自分はあえて怪しげな動きで入場するパフォーマンスを即興で導入。評判は微妙だったようだが、お祭りということでここは一つ、広い心で許容していただければ……。

決勝トーナメントの相手は同じチームの中野さんだが、正直言ってまるで勝てる気はしていなかった。それでも、いつも対戦しているようにやるしかないと、気分を切り替え試合に臨む。が、ダメっ……! やはり、技が出ない状況ではすべての行動に信頼が持てなくなり、動きもおのずと固くなる。それが、自分でもわかりすぎるほどに実感できた。結果、中野さんが勝利し、自分のCEOはここで終わりを告げた。

しかし、まだチームとしてはオオヌキくんと中野さんが残っている。あとは彼らを精一杯応援していくことにしよう! ということで、応援モードへと移行。印象的だったのは中野さんの試合で、事前にダメ出ししていたはずのムーブが面白いように相手にきまったり、相手のトドメに削りでいいところをわざわざ飛び込みに行って仕留めるなど危険なプレイの連発だったが、逆にそれがハマってどんどん勝ち進んでいく。

それを目の当たりにしたチーム中野のメンバーは「この人、何か『持ってる』んだよなぁ」という見解で意見が一致。そんな「持ってる」パワーで、中野さんはルーザーズトーナメントをなんと決勝まで勝ち進んだのだが、そこでdamdai選手に敗北。惜しくも4位に終わってしまったものの、その戦いぶりたるやのびのびとしていたし、ご本人も楽しそうだったということで、大変よろしかったのではないでしょうか。

花道をうれしそうに入場してくる中野サガットの勇姿を見よ!

FOOすけの敗北が決定的となったシーン。あれ食らうかね? 「ウル2」のやりすぎにも程がある!

一方、オオヌキくんはウィナーズのまま決勝まで突き進み、ルーザーズから上がってきた怪物・damdai選手との最終決戦に臨む。この決勝がまたすさまじい戦いで、ここまで数々の強豪を倒しているあのオオヌキくんの春麗が、damdai選手のリュウに完全に押される展開で3セットを連取されてしまう。

のちにオオヌキくんにこの3セットを連取されたときの心境を聞いてみたところ、そのときは、あまり戦ったことのないSリュウというキャラクターと、damdai選手の動きを、ルーザーズ落ち覚悟で観察しながら戦っていたのだという。そして、そこからオオヌキ春麗の立て直しが始まることになる。

余談ではあるが、このとき外野では、アメリカ人グループからなるdamdai応援団もすさまじくヒートアップ。それに気圧されてはならないとチーム中野も声を張り上げており、さながらリング外は米日応援合戦という様相を呈していた。こういうのもまたリアル大会ならではの盛り上がりであり、とても面白い部分であると言えるだろう。

試合は最後の3先の状態から、オオヌキ春麗が2―1といい形で先行していたのだが、damdaiリュウがそれを驚異的な反応速度と判断力でプレッシャーをはねのけつつ、2―2へと持ち込む。しかし、ここでまたオオヌキ春麗が1本を先行し優勝にリーチ! というところで、damdaiリュウも負けじと1本を取り返し、ラスト1本までギリギリの戦いがつづく。

そのラストがまたすさまじかった。お互いじりじりと体力を削りつつ、オオヌキ春麗がじょじょにラインを上げ、damdaiリュウを画面端に追い詰める。そこを前跳びで強引にラインを押し戻そうとするdamdaiリュウを、オオヌキ春麗が対空中Kで落とすも相打ち。ここでオオヌキ春麗の残り体力は2ドットほどになるが、そこからdamdaiリュウの昇龍拳のスキをしゃがみ中Kでダメージを取り、damdaiリュウも残り中攻撃1回ぶんほどの体力に。

最後は画面端に追い詰められたdamdaiリュウがバックジャンプをした着地直前に、オオヌキ春麗がその目の前に置き百裂脚。これが、着地直後に(おそらく)しゃがみ中Kを出したdamdaiリュウにヒットしてオオヌキ春麗が勝利、という劇的な幕切れとなった。

決勝戦、最初の3セットはdamdai選手が圧倒的な攻めで1セットも譲らずに勝利。またたくまにルーザーズに落とされたオオヌキくん、超ピンチ!

最後、2―1とリードしたオオヌキ春麗。相手を画面端に追い詰めての夏塩蹴と勝利は目前だったが、damdai選手はここから見事な状況判断で春麗を逆に画面端に追い込み勝ちに持っていった。本当にすごい!

オオヌキ春麗がdamdaiリュウを画面端に追い詰め、バックジャンプの着地際という絶妙なタイミングに合わせて置き百裂キック。これが着地に足を出したdamdaiリュウにヒットしてオオヌキくんの勝利! 見ていて魂が震える戦いだった!

かくして、オオヌキくんは「ストIII」につづいて「ストII」でも優勝を飾り、CEO2018で2冠を達成。チーム中野としても3人がベスト8に残ことができトータルでも好成績を残せたわけで、今回の遠征は大成功と言っていい形で終えられたように思う。

その後、CEO会場内に設置されていたゲームコーナーで、海外勢と日本勢で対戦を行なったり、海外勢とトークするといった交流を行ない夜に解散。ささやかな祝勝会のあと、現地時間の夜中まで報告配信を実施し、ようやく就寝するも、その日の早朝にはホテルを出立して、デイトナビーチ国際空港へと向かった。帰路は大きなトラブルもなく、予定のコースを順調に移動でき、無事帰国。

……長くなってしまったが、これが自分のCEO2018体験記となる。正直言って、渡航前は絶対に行きたくなかった海外だったが、行ってみれば体験の何もかもが新鮮だったし、何よりも日本では到底できなかったであろう知見も得ることができて、いい経験になったと思う。最後になるが、株式会社ゼクサス様ならびに中野さんには、この場を借りてお礼申し上げたい。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

「スーパーストリートファイターII ターボ」でも優勝し2冠を達成したオオヌキくん。本当におめでとう!

最後はデイトナビーチで記念撮影。これにてチーム中野、すべてのミッションが終了です!

戦いのあとには友情が芽生える! 交流会メモリアル

大会終了後は、海外勢との対戦交流会や懇親会なども行なわれた。その模様も写真でお届けしていこう。

CEO2018の会場にはすべてのゲームがフリープレイのゲームコーナーのようなエリアが併設。そこで海外勢との対戦会もありとても楽しめた!

「同じディージェイ使い」であり「なんとなく似ている(?)」ことから生き別れの兄弟ではないかと推測されるAfro Legends選手(左)とFOOすけ(右)

CEOの代表、Alex Jebailey氏(中央下)と、海外のゲーム実況レジェンドであるJames Chen氏(左から2番目)を交えての記念撮影! なにいっ、ヌキがいない!?

James Chen氏(中央)を交えつつ決勝ステージで見せた首切りパフォーマンスふたたび! Chen氏のノリがこれまたよくて楽しかった!

小さめの画像で恐縮だが、左から、今回の裏MVPである現地勢のぶおさん、チーム中野に参加してくれたORO_NINEさん、FOOすけ、3位になったAfro Legends氏、通訳も努めてくれた5位のTomo氏、フランスから来たSPOTTY LEN氏、甲斐さん、中野さん。国内外の「ストII」事情や各人の個人的な話などで盛り上がった!

左からAfro Legends氏、Tomo氏(目を閉じてる写真ですみません!)、SPOTTY LEN氏。3人全員が「ストIIラブ」すぎて、他ゲームの話題はこちらから振らなければまったく出てこないというストイックぶり。全米ナンバー1ディージェイと名高いAfro Legends氏は日本のレジェンドプレイヤーたちを崇拝しいつか戦う日を楽しみにしているとか。Tomo氏はゲームと仕事+勉学を見事に両立させている頭脳明晰なリュウ使いでその腕前は折り紙付き。SPOTTY LEN氏はフランス在住のT.ホーク使いで、フランス語、英語、日本語を話せる日本大好きイケメン。恋愛には目もくれずゲームと仕事を頑張っているとのこと

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著者プロフィール

FOOすけ
最近ゲームそのものよりその周辺のお仕事をすることが多くなってきました。ゲームの2次ローカライズやゲーム系プレスリリースなどゲーム関連のテキストのことならお気軽にご相談ください!